角川文庫<br> 刀伊入寇 藤原隆家の闘い

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角川文庫
刀伊入寇 藤原隆家の闘い

  • 著者名:葉室麟【著者】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • KADOKAWA(2023/01発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041134108

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内容説明

どこかに、強い敵はおらんものかな――。平安時代、栄華を極める一門に産まれた藤原隆家は、公卿に似合わぬ荒ぶる心を抱えていた。朝廷で演じられる激しい権力闘争のさなか、安倍晴明と出会った隆家は、国を脅かす強敵が現れることを予言される。やがて花山院と対立し、九州に下向した隆家が直面したのは、熾烈を極める異民族の襲来だった。荒くれ者公卿は、世の安寧を守り抜くことができるのか。血湧き肉躍る戦記ロマン!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hiace9000

102
古来より外敵にさらされてきた我が国の史実を元に、元寇以前の外敵『刀伊』との知られざる闘いが描かれる。葉室作品といえば「静中の動」、人の内奥の繊細なる"言はで思ふ"心情や、閉塞感満ちる武家社会の濃密な人間関係と封建の世の不条理との葛藤・苦悩描きが特長かと認識していたが…本作はその対極にある活劇成長譚! 荒ぶる心をもつ異端の平家公卿藤原隆家は貴族間の政争に巻き込まれ太宰府へ配流。そこで真の「強い敵」と対峙し立ち向かって行く。栄華を極める道長の雅なる光と対をなす、隆家の泥臭くも熱い光に葉室美学の輝きを観るのだ。2023/03/26

ふじさん

94
葉室麟が書いた異色の伝奇小説仕立ての作品。「刀伊入寇」は、平安中期、荒くれ者と知られた藤原隆家が安倍清明の予言により異民族・刀伊を迎え撃つ様をダイナミックに描いた力作。藤原道長との熾烈な政争を経て、大宰府に赴いた彼を待っていたのは、刀伊の襲来だった。隆家の知られざる戦いのシーンは圧巻の面白さだ。男たちの権力闘争に明け暮れる中で、翻弄された人生を送る女たちの辛さや苦しみを宮仕えの立場で身近に目の当たりにした清少納言や紫式部の存在が、物語に深みを与えており、興味深い。歴史の真実が詰まった読み応えのある作品。2023/12/29

kayak-gohan

21
藤原道長たち一族が繁栄を謳歌していた11世紀初頭、同じ時期に中国東北部を発祥とする女真族の刀伊が対馬・壱岐から九州へ侵攻。それを道長の甥で太宰権帥だった隆家が九州の武士団を率いて撃退。この刀伊の入寇はあまり中学・高校の歴史では詳しくは教えられていないようだが、文献や資料を読めば読むほど実はこの事件が深刻な国難であったことがわかって来る。本作はそうした史実を骨格にしつつ、ファンタジー要素を肉付けしているので楽しく読めた。2024/03/25

びいなす

3
永井路子「この世をば」を読んで元寇以前に刀伊という外敵が攻めてきた事実を知り、たまたま見つけたので読むことに。道長の甥で気性が荒く公家らしくない藤原隆家が主人公。戦いは後半のみで前半は道隆、道兼、道長の三兄弟や花山院との関係も描かれ、歴史のおさらいも出来てよく分かる内容。隆家が男気のある男性に描かれ、武家に生まれてたらどんな人生だったのかと思う。2024/03/06

ウォーカージョン

3
伝奇小説かな。なんか、懐かしい。大鏡や枕草子などを使って再構成すると、今まで断片的な感じがしていた世界が立体的に浮かび上がってくる。なるほどと感心。こうしてみると、敦康親王が光源氏のモデルの一人であるという説もうなづける。作者は、紫式部が中関白家ことを書きたかったというが、正解かもと思わせる。2023/08/23

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