ディスカヴァー携書<br> 発達性トラウマ 「生きづらさ」の正体 【自分を責めてしまいがちな方へ】

個数:1
紙書籍版価格
¥1,320
  • 電子書籍
  • Reader

ディスカヴァー携書
発達性トラウマ 「生きづらさ」の正体 【自分を責めてしまいがちな方へ】

  • ISBN:9784799329344

ファイル: /

内容説明

発達障害と似た症状は、“ストレス”が原因だった!
メディアで話題の専門家が教える、今からできる克服の方法

「発達性トラウマ(Developmental Trauma)」とは、複雑性PTSDの原因となる、子ども時代に負ったトラウマのことです。
家庭や学校などで負った慢性的な(反復性)ストレスがトラウマを生み、複雑性PTSDの原因となることがとても多いのです。
そのため、発達性トラウマは、私たちが抱える生きづらさの原因を明らかにするものとして近年注目されています。

「発達性トラウマ」あるいは「トラウマ」という概念から生きづらさを眺めてみると、
多くのことが了解でき、適切なケアにつながっていくことがわかります。

これまではトラウマというと、戦争や災害、レイプといった、ある限定された状況による症状(PTSD)というイメージでしたが、そうしたものとトラウマの全貌は異なります。

本書では、近年の知見や現場での経験、体験をもとに、読者が感じているかもしれない生きづらさを、
トラウマ(発達性トラウマ)という視点から照らしてみたいと思います。

トラウマの原因として、従来は劇的な出来事に焦点が当たり、
より身近な日常的にあるトラウマに苦しむ人たちには適切な知識やケアが届いていませんでした。
身近なトラウマも、それぞれに抱える生きづらさは深刻です。
そうした問題意識から、本書ではよくある身近なお困りごと、生きづらさを中心に取り上げています。
身近なトラウマがわかると、劇的な出来事も含むトラウマ全体についても見通しが付きやすくなります。

本書は、「発達性トラウマ」というタイトルですが、もちろん成人してから受けるストレスも含めた
トラウマ全体のものとしてもお読みいただけます。


トラウマとはストレス障害と捉えられます。決して特別な事象ではありません。
誰しも人生の中でストレスが重なってバランスを崩すことは生じます。

また、もう一つの特徴であるハラスメントについてもその仕組みが広く知られる必要があります。
そこには人間が持つ他人を巻き込んで実存を維持しようとする営みやコミュニケーションの構造が隠れています。
自己の不全感をかりそめに満たすために他者を支配しようとする働きを人は誰しも持っています。
ハラスメントの仕組みがわかると、互いの違いや多様性を尊重して関わり合うための大切な視点を得ることができます。

さらに、生きづらさの多くが本来は社会からもたらされるものです。
そんな生きづらさが過度に個人化されがちな現代にあって、それを被る側の内的なメカニズムが明らかになることで、生きづらさを切り分けてもう一度社会に押し返す力にもなり得ます。

【目次】
第1章 この「生きづらさ」はどこから来るのか?
第2章 トラウマをめぐる経糸と緯糸――“第四の発達障害”を生む発達性トラウマ
第3章 トラウマがもたらす“自己の喪失”と様々な症状
第4章 トラウマを理解する――ストレス障害、ハラスメントとしてのトラウマ
第5章 トラウマを克服する

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆいまある

77
失敗だった。知ってることしか書いてなかった。トラウマ治療を専門にしている心理士さんが書いた本。焦点を当てているのは複雑性PTSDだが、発達障害に見える人が実はネグレクトが原因のことがある(この辺は友田明美先生が詳しい)。でも発達障害ってPTSD起こしやすいから結構重複するよねと思ったけどそこは触れられず。その症状が先天的な過敏さからくるものか、後天的なものかの区別は実は付けにくいです。対処法は少し参考になるかも(神田橋処方とかマインドフルネスとか紹介してるだけだけど)。KindleUnlimited2024/06/04

しゅん

23
「トラウマ」を「心の傷」と考えるのはメタファーとして不適切で、「ストレス障害」と考えた方がよいという話が印象に残る。強いショックより持続的な心地悪さがトラウマとして残るケースは多く、その性質はむしろ「ストレス」である。症状の説明と解決法を説明しつつ、トラウマ研究の歴史にも踏み込んでいるのがよい。トラウマ研究は継続的なものではなく、注目と忘却を繰り返してきたこと。ヒステリー研究や愛着研究と合流して研究が進んだこと。精神治療は途上の医学であり、研究の経緯を知ることは重要に思う。2023/09/07

yunyon

15
PTSD、発達障害、トラウマ…、カテゴリーや区分けがいろいろあるのはともかく、やっぱり何より一番大事だと思うのは、今この瞬間、困ったり悩んだりしている人に救いがあること。心でも脳でも、投薬や行動療法を用いて、今ここにある苦しさから解放されて、生きづらさが軽くなるといいな。2025/07/01

シンプルねこ(うみねこ)

14
どうしてこんなに生きづらいのってずっと思ってた。 いつの間にか精神的に病んでそれがよくなっても生きづらさは続いた。それで、ちょっと前からHSPや愛着障害、毒親、トラウマの本など読んだけど、いまいちすっきりしなかった。れが、この本を読んで全てが分かった気がした。正確に言うと、この本で全てが分かったわけではなく、いろいろ読んで知識が蓄積されて分かってきたんだと思う。これからは少しずつ自力で変えていこうと思う。2024/07/26

せっかちーぬ

13
知識と支援の引き出し増やしのため。自分にも要素があり、生きづらいのはそのためか、とも思った。共感力が強いというよりは自分が無いため、すぐに意見や考えを持っていかれてしまう自分。ハラッサーでさえもいいところ探しをして、自分を落とし込んでしまう自分。渦巻くは自分の中の怒り。ちょっとずつ愚痴ったり、意見を叩きつけたりする術を身に付けたい。支援が必要な人の代弁にも活かしていきたい、2024/12/01

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/20655431
  • ご注意事項

最近チェックした商品