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内容説明
売上高、経常利益、成長率など、企業の力は数字に投影される。「スピード」「効率化」が至上の価値となり、「格付け」に一喜一憂する経営者たち。いつしか社員は、「働きぶり」よりも個人の「業績」(数字)ばかりを追うようになった。その結果、職場はどうなっただろうか。成果主義の時代に人情の復権を――。外資系企業の経営者が切に唱える。後輩の面倒を親身になってみると、自分の成果が怪しくなるからそういう迂遠なことはしなくなる。落ちているゴミを拾う時間が惜しい。電話に出ると道草を食って損をするから、なるべく出ない。いつ頃から、成果主義のような「水気のないパサパサした思想」がはびこりだしたのか。上に立つ人の人間観、社会観が痩せてきたのだ、と著者は指摘する。では、人情味ある経営とは何か。本書では、現代人が忘れていた諺、落語、歌舞伎など古典の智恵に耳を傾ける。競争原理だけでは人は動かないのだ。上司のあなたへ、人心掌握の要諦を説く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
B.J.
8
●アインシュタインは、スイスのチューリッヒ連邦工科大学(ETH)を受験するが、不合格となった。ところが、数学と物理の点が異様に高く、規定外で入学を認められた。 ●バテレン:ポルトガル語で、神父を意味する。 ●動物の流れをくむ代表は、アングロサクソンだ。彼らの特徴は、「なせばなる」である。だから行動する。 ・・・本文より2020/02/24
Humbaba
7
数字は確かに分かりやすい。そして、そのわかりやすさは説得力も与えてくれる。しかし、数字を使うのは良いが数字に従うようになると仕事がうまく回らなくなる危険もある。あくまでも使うもののはずである数字に使われるようになってしまえば、組織としての成果が悪くなってしまう危険もある。2016/07/29
gokuri
2
おすすめできません。 特に後半は単なる著者の思いつきのかたまり2013/07/07
Humbaba
2
成果というのは測ることが難しい.無論,売上を始めとする数字は非常にわかりやすい成果であるが,それが全てではない.わかりやすく目に見えるものだけを求めると,組織としての力が衰退していき,やがて全体として数字が悪くなっていってしまう.2013/04/27
Naota_t
1
★3.1/副題に「成果主義の落とし穴」とあるため、経営寄りのハードな内容を期待していたが、予想とは違ったため肩透かしを喰らった。全体の印象はエッセイに近い。要は、「数字と人情」のいずれをとってみても日本人は優れていると言いたかったのだろうか。中でも、ダイソンのエピソードはが記憶に残った。良い発明は完成形で歩いてこない。失敗した作品を肯定的に見て、惚れ込んで付き合い続けることで、突然、化ける瞬間が来るという。これには「やってみなはれ」「1勝9負」に通じる普遍性があり、私も考え方を少し改めようと思った。2023/04/26