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内容説明
既婚者が配偶者以外と性交渉をもつことを指す「不倫」。毎月のように有名人がスクープされる関心事だが、日本では客観的な研究がほとんどない。本書では、気鋭の社会学者と経済学者が大規模調査を敢行。実験的手法や海外の先行研究も活用して実態に迫る。経験者は何%か。どんな人が不倫しやすいのか。どこで出会い、いかに終わるか。家族にどんな影響があるか。誰が誰をバッシングするのか。実証分析により解き明かす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
108
日本版『キンゼイ報告』をめざしたか、既婚者の性生活における不倫の現状をネット調査の結果に基づき実証的に分析していく。男女や国際比較の違い、原因と相手と終わり方、不倫に何を求めているかなど、下半身の事情から心の弱さが明らかになる。性欲は人の最も制御しにくい部分にあるため、セックスや金など各人の欲望がストレートに反映している状況がわかって面白い。ただ男性が風俗に行く点を勘案しながら、いわゆるセフレ募集掲示板で相手を探す男女が増えている点が考慮されていないのは、著者らが存在を知らないか故意に目を背けているのか。2023/04/02
のり
26
不倫を統計的に分析した新書。収入の多い男性が不倫しやすいとか、自由時間が多く、協調性のある女性が不倫しやすいとか、予想通りのデータもあれば、夫婦仲が良くても悪くても、子供がいてもいなくても、不倫に対する非難の声は変わらないとか、予想外のデータもあった。不倫を、こんな大真面目にデータ分析してるものを初めて読んだわ。2023/03/05
テツ
17
不倫に関するデータと論考。既婚男性の約半分が、既婚女性の約1/4が不倫の経験があるらしい。個人的には性欲やら寂しさやらで他者を求めてしまうきもちというのが全く想像もできないので、予想以上の割合にビビる。凄まじいリスクを負ってでも満たしたい何かがあるとしても、それってリスクのない相手&形でどうにかできそうだよなとしか思えないのだけれど、当事者にしか理解できない心境が存在するんだろうな。何にせよ自律心を忘れずに生きていたいものです。自らの意思で選択した配偶者を裏切るってかなり邪悪な行いだと思うけどなあ。2023/02/17
そうたそ
14
★★☆☆☆ 不倫というものを学術的に扱った本はなかなかなかったのではないか。安心と信頼の中公新書からそんな本が出たからには読まねば、と手に取った本。数々の不倫に関する調査等のデータから分析、精査されたレベルの高い内容だとは思ったが、驚くというか思わず唸ってしまったような事実はなかったかも。読み物としての面白さも個人的には欠けていた印象。本書はあくまでデータ分析的な内容に終始しているので、心理学的な内容等を求める人は注意。2023/02/23
CTC
13
1月の中公新書新刊。移民に関する社会学的研究を行っている学者(阪大院人間科学研究家講師)と所得格差について経済学的研究を行う学者(同志社大学院経済学研究科准教授)の共著。男女のことは人類永遠のテーマであるし、社会全般での実況が見えにくい題材だけに、中公新書で読ます狙いは面白いと思った。定義や歴史などを考察する第一章は期待に違わなかったが…2章以降の実態のところは先行研究や統計も少ないから、なんというかなぁ…紙幅に対して…中身は濃くない。ホント当たり前の肌感覚推定どおりの実態という事が確認できました。 2023/02/14