藍色ちくちく 魔女の菱刺し工房

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藍色ちくちく 魔女の菱刺し工房

  • 著者名:髙森美由紀【著】
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • 中央公論新社(2023/01発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784120056208

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内容説明

「好きでやってることだすけな、仲間っこが来てければ嬉しいよ」

趣味もなく学校でも進路に迷っていた綾。でも「ひし形屋」で、より子先生に南部菱刺しを教わって、世界が一変した!?「魔女の菱刺し工房」
母が認知症となり、接し方に悩む香織。より子先生と一緒に無心で刺している中、あるアイディアを思いつく。「ひょうたん」
長らく引き籠もっていたより子の孫・亮平。より子は静かに亮平を見守っていたが……。「真麻の聴色」

苦しい時、嬉しい時、そして誰かを想う時。布の目を数え、模様を作る――。
青森の南部菱刺しをテーマに描く、手芸×再生の四篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

モルク

117
こういうお話すごく好き。刺し子その中でも八戸地方に伝わる横長の菱形を基本とした幾何学模様「南部菱刺し」工房のより子さんを中心とした4つの連作短編集。4話どれも素敵で好きだが最終話のより子の孫、在る事情で引きこもりとなった亮平の話「真麻の聴色」がとても好き。祖母より子と菱刺しが彼の再生の礎となる。これからも大切にしていって欲しい伝統工芸。どんなものかと検索したらとっても素敵。素朴であたたかくやってみたいと思うが老眼ドライアイにはきついだろうから菱刺しを施したバッグとか小物が欲しくなる。2023/03/27

みかん🍊

95
青森県南部の伝統工芸菱刺しのよりこ婆ちゃんの工房には、進路が決められない女子高生、結婚間近の女性、母親が認知症になり施設に入っている女性がやって来てちくちく作業をする様になる、日々の悩みや家族関係の苛立ちがあるが、静かに針刺す時間が心穏やかにし居心地のいい場所となる、好きな事をして仲間がいるそんな毎日が嬉しい、ニュートラルで言いたい事をズバズバいう賢坊のキャラクターも良かった。2023/02/18

itica

88
刺し子が地方によって微妙に違うことは知らなかったが、ただひたすら目を数えて刺してゆく行為が心を軽くすることは何となく理解できる。単純な作業がリズムを生み、無音のメロディが流れる感じかな。惹かれるよね。師匠のより子さんと工房に集う人々が菱刺しのエピソードと共に描かれているが、素朴で温かみのある話だった。文字だけでも菱刺しの美しさが伝わってくる。 2023/04/10

ゆみねこ

87
青森の南部菱刺しを軸に4つの物語。趣味もなく進路に迷う女子高生の綾、地元の公民館で働く結菜の結婚、母の認知症に悩む南部せんべい屋の香織。そして心に大きな傷を負い引きこもっている亮平。より子おばあちゃんがつなぐ南部菱刺しの絆。無心に刺しているときっと気持ちが落ち着いて良い時間を過ごせるのでしょうね。良い本を読みました。お薦め!2023/05/13

えんちゃん

83
とても良かった。ああ家族っていいな。ぎゅっと切なくて温かくて泣きたくなる。髙森さんの新作は、青森県南部刺し子が紡ぐ家族の物語。おばあちゃん先生を取り巻く、人生ままならない人たちの連作短篇集。その昔麻しか育たない寒冷地で、布地の隙間を塞ぐため縫い込んだという菱刺し。その模様はいつしか家族の隙間を埋めていく。悲しいときや迷ったときは、ひと目づつ一歩づつ、無心に地道にいけばいい。東北の光と風と空気感も懐かしくて胸いっぱい。2023/02/22

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