集英社新書<br> ゲームが教える世界の論点

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集英社新書
ゲームが教える世界の論点

  • 著者名:藤田直哉【著】
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 集英社(2023/01発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087212495

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内容説明

【ゲーム批評で読む現代社会】
コロナ禍の「おうち時間」によって急速な成長を遂げたゲーム産業。
米大統領選のキャンペーンに「どうぶつの森」が用いられたり、オリンピックの開会式にゲーム音楽が使用されるなど、その影響力は現実の社会にも及んでいる。
そうした状況を反映するかのように、世界中で支持されているゲームは、さまざまな問題の解決策を示している。
本書では大人気ゲームの読解を通して、陰謀論、分断、叛乱、新自由主義、家族といった重要なテーマを考え、理想的な社会のあり方を提示する。

【おもな内容】

第一章 ポストトゥルースと陰謀論
1 分断された人類――『デウスエクスマンカインド・ディバイデッド』
2 差別を経験するシミュレータ――『ウィッチャー3 ワイルドハント』
3 情報操作に対抗する個の覚醒――『ペルソナ5』

第二章 分断を超えるために
1 対話と理解の重要性――『VA-11 Hall-A: Cyberpunk Bartender Action』
2 人々を「つなぐ」必要性の体感――『DEATH STRANDING』

第三章 革命と叛乱のジレンマ
1 暴力的な叛乱か、芸術的な抵抗か――『Detroit:Become Human』
2 テクノロジーによる管理からの解放は可能か――『The Stanley Parable』
3 いかにして反抗を正しく導くか――『ライフイズストレンジ』

第四章 新自由主義の終わり
1 「他者化」「非人間化」に抵抗するために――『The Last of Us Part II』
2 「選択と集中」の痛みを描く――『イースVIII Lacrimosa of DANA』
3 原暴力への贖罪と、宗教的実存への移行――『レッド・デッド・リデンプションII』

第五章 家族と生命の神話
1 レトロトピアの誘惑――『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』
2 自然や故郷を破壊するエネルギー産業とどう対峙すべきか
――『ファイナルファンタジーVII』『ファイナルファンタジジーVII リメイク』
3 思いどおりにならない存在と共存する訓練――『ゴッド・オブ・ウォー』
4 世界を愛する気持ちを――『Horizon Zero Dawn』

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はっせー

47
読書が好きになる前は、ゲームが好きだった。1日何時間もやっていた気がする。そんなゲームをプレイすることによって社会問題を解決する糸口を見つけることができるというのが本書の主張である。章ごとにゲームが紹介されており懐かしいものや初見のものもあった。2024/10/26

緋莢

14
図書館本。<プレイヤーは差別される立場を疑似体験する>、<分かりやすい勧善懲悪や、ハッピーエンドになる選択肢はない>という「ウィッチャー3 ワイルドハント」、<解放や自由をゲームのなかで満足させることすら、管理され 設計されたシステムとルールのなかで行われていることにすぎない>という「The Stanley Parable」など、分断、革命と叛乱、新自由主義などに関わる問題の解決策を、ゲームを通して考えていこうという本(続く 2024/06/06

takka@ゲーム×読書×映画×音楽

11
「時間がないから」という理由で避けられてしまうゲーム。この本を読了して、ゲームは「物語や世界観を追体験できるからこそ考えさせられるメディア」だと改めて感じた。『ファイナルファンタジーⅦ』で描かれる、環境や文明社会・自分とは何かについて。『レッド・デッド・リデンプションⅡ』で描かれるアメリカ開拓時代の闇と戦争や対立・正義。この本では現代ゲーム(本著の定義は自分にとって曖昧だった)、主にPS4で遊べる作品から社会を考えるきっかけになるいい本だが、少し左寄りな思想が強い点に注意。2023/01/29

dowalf

7
きっと「ドラクエ」とか、「ポケモン」とか、「ゼルダ」とか、このところ大ヒットしたみんなが知ってるゲームが出てくるんでしょう…と思っていましたが、列挙されたタイトルは海外発のものやインディーズ発等、(知ってる人には名作でも)あまり一般的には知られていないものが多く、考察の内容もプレイヤーの心理状態に与える影響から、社会問題へのアプローチまで深く考察されており、読みごたえがありました。ゲームにしかできない役割が今後の社会に生まれる予兆めいたものも感じました。2023/07/09

つまみ食い

6
おそらくこれまでも同様のテーマやアプローチの本はあったと思うが、ゲームのメディアとしての構造(時間やゲーム内世界の万能的な存在であると同時にゲームの制作者に規定されてもいる)やそうした構造に自覚的かつ批判的なゲームが作られるようになっていることなど新鮮なトピックが多かった。2024/11/25

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