ケアする惑星

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ケアする惑星

  • 著者名:小川公代【著】
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  • 講談社(2023/01発売)
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  • ISBN:9784065296820

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内容説明

他者なるものを慈しむ、惑星的な視座。

『アンネの日記』、『おいしいごはんが食べられますように』、ヴァージニア・ウルフ、オスカー・ワイルド、ジェイン・オースティン、ルイス・キャロル、チャールズ・ディケンズ……。
『ケアの倫理とエンパワメント』で注目された英文学者が、ケアをめぐる現代の事象を文学と自在に切り結び語る論考。

目次
1章 ”ケアする人”を擁護する――『アンネの日記』再読
2章 エゴイズムに抗するーーヴァージニア・ウルフの『波』
3章 オリンピックと性規範――ウルフの『船出』
4章 ウルフとフロイトのケア思想 1――『ダロウェイ夫人』における喪とメランコリー
5章 ウルフとフロイトのケア思想 2ーー『存在の瞬間』におけるトラウマ
6章 ネガティヴ・ケイパビリティーー編み物をするウルフ
7章 多孔的な自己ーーアートと「語りの複数性」
8章 ダーウィニズムとケア 1 ー―『約束のネバーランド』と高瀬隼子作品
9章 ダーウィニズムとケア 2ーーウルフの『幕間』
10章 ピアグループとケアーーオスカー・ワイルドの『つまらぬ女』
11章 カーニヴァル文化とケアーールイス・キャロルの『不思議の国のアリス』
12章 格差社会における「利他」を考える――チャールズ・ディケンズの『ニコラス・ニクルビー』
13章 戦争に抗してケアを考えるーースコットの『ウェイバリー』とドラマ『アウトランダー』
14章 ケアの倫理とレジスタンスーーオースティンの『レイディ・スーザン』と映画の『ロスト・ドーター』
あとがきーーケアと惑星的思考

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かさお

34
ケアする、それは介護や看護だけでなく、他人の為に心を砕く事と知り、自分も十分当事者だと知る。何故ケアする人が報われない世の中なのか?アンネの日記、ヴァージニアウルフ、鬼滅の刃、約束のネバーランド、おいしいご飯が食べられますように、など文学作品から鑑みて紐解いていて、どれもこれも、そういう解釈が出来るのかと面白く読めた。特に、時代の家父長制度が、オンナコドモという言葉を作りケア労働の価値と賃金を貶めた(ケアは女がする事)過程、とても腑に落ちた。「おいしいごはんが食べられますように」を再読したくなった→ 2023/10/09

mikky

10
引き続きケアをめぐる論考。前作同様ウルフの作品群は勿論、『アンネの日記』『不思議の国のアリス』といった名著から『約束のネバーランド』『鬼滅の刃』といった近年大きな話題となった漫画、『ロスト・ドーター』のような映画まで広く材を取っています。『ケアの倫理』の観点で作品を読み直す作業は非常に面白く興味深かったです。また、ウルフの三ギニーで語られる『女性としては、全世界が私の祖国なのです』という言葉が、再び戦争の時代となりつつある今胸に強く残りました。ワイルドの『顔のないスフィンクス』も未読なので読んでみたいです2023/10/26

ふるい

9
ケアの視点から小説、漫画、ドラマ等のフィクションを読み解く。他者の視点を持つことやケアする人を慈しむ姿勢の大切を学べる。著者の専門であるイギリス文学が中心に論じられるが、『約ネバ』と『鬼滅』には弱者への共感というケアの精神を持った登場人物が活躍する共通点がある等、近年流行した少年漫画の考察も面白く読んだ。2023/07/06

やましん

8
いつ買ったか、なぜ買ったか思い出せない積読本。バージニアウルフを主として様々な作品を渉猟しながら「ケア」を説いた1冊。他者を思いやり行動するケアが十分浸透しなかったのは家父長的な男性や制度にあることが示唆されるが、生物学的な男とは異なる概念としているのだと信じたい。紙幅の都合もあったのだろうが、男性というタームが性別的なものと人文学的なものと異なる概念として記述されるのは、直観的な理解をする読者にとっては無用の誤解を生むだろうから注意して欲しい。2024/06/10

amanon

8
取り上げられている本に既読のものが多かったと言うことを抜きにしても、非常に興味深く、発見の多い一冊だった。いみじくも、世間がますますきな臭くなり、愛国や防国の名の下に、国民総動員体制へと傾れ込むことが懸念されている昨今。本書が提唱する、ケアの姿勢や精神、グローバリズム的世界観への警戒、マチズモ及びミソジニー的な価値観を見直す姿勢というのは、注目に値する。個人的に驚かされたのは、最終章で取り上げられたオースティンの『レイディ・スーザン』。こんなある意味破天荒な主人公を、オースティンが初期に書いていたとは…2023/04/02

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