NHK出版新書<br> ウィーン・フィルの哲学 至高の楽団はなぜ経営母体を持たないのか

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NHK出版新書
ウィーン・フィルの哲学 至高の楽団はなぜ経営母体を持たないのか

  • 著者名:渋谷ゆう子
  • 価格 ¥1,023(本体¥930)
  • NHK出版(2023/01発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784140886915

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内容説明

正統にして先鋭。180年受け継がれてきた音楽と伝統の奇跡

言わずと知れた世界最高峰のオーケストラ、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団。なんと彼らは創設から一貫して経営母体を持たず、その運営を演奏家たち自身が行っている。なぜ彼らは長きにわたり後ろ盾なしで存続し、伝統を守り続けてきたのか。2020年、コロナ禍でコンサート開催が困難を極めた時期の来日公演の舞台裏から、組織のマネジメント形態や奏者たちによる「民主制」の内実、偉大な音楽家との関わりや戦時の対応、変化するマネタイズの手法まで。音楽ジャーナリストとして楽団長や団員に取材を行い、同時に彼らのレコーディングにも参加する著者が明かす、180年続くウィーン・フィルの「行動原理」。

第1章 音楽界のファーストペンギン
第2章 ウィーン・フィルとは何者か
第3章 ウィーン音楽文化と自主運営の歴史
第4章 戦争が落とした影
第5章 王たちの民主主義
第6章 アート・マネジメントの先駆として

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

110
大仰なタイトルの割には公知の情報ばかりで内容に乏しく、また、音楽的な考察も殆どないのが残念。ただ、2020年のコロナの真っ只中での来日公演の実現と、2022年のウクライナ侵攻直後のゲルギエフ氏の電撃的な降板という、世界を驚かせた2つの事件の裏話は興味深く読める。日本公演がこのオケの退職者年金制度を支えており、37回も来日しているが、私が聴いたのは5回だけ。いつも独特の音色に魅了される。国際性や多様性の名の下で世界中のオケが均質化する中、ウィーン・フィルだけはその流れに逆らってくれと願うのだが、ダメか…。2023/02/13

ジョンノレン

55
ウィーン・フィル関連3冊目。音楽プロデューサー渋谷ゆう子氏の密着取材による'23年1月出版本。よって記憶に新しい新型コロナやウクライナ侵攻等近時の危機対応のほかグローバル化やジェンダー絡みの波紋についてもしっかりページを割く。歴史や組織特性とりわけ経済的自立に関わる記述や構成はしっかり整理されており、「王たちの民主制」の一筋縄ではいかない内実を垣間見ると同時に、設立当初から大戦等の様々な危機を紆余曲折を辿りつつも、しなやかに乗り越えるしぶとさに改めて驚嘆。マーケティングや後継育成についても独自スタイルで。2024/02/18

しばこ

17
毎年ニューイヤーコンサートは観てるし、この前ジョン・ウィリアムズとの映画音楽のコンサートのCDも購入したけど、実は詳しいことはほぼ知らなかった世界最高峰のオーケストラについての歴史や活動内容などを、興味深く知ることができ、楽しめる内容だった。改めてまた映像や音源を楽しもうと思った。2023/02/08

Youhei Takatsu

13
ベルリンフィルと並び世界のトップオーケストラのひとつである、ウィーンフィルに関する歴史、独自の運営など知ることができる本。伝統と歴史を重んじている楽団の一つでもありあますが、ジョン・ウィリアムズとの共演があったように時代の先端、そして若い音楽家の育成にも力を入れ始めています。私のウィーンフィルベストアルバムは、ブーレーズ指揮のマーラー交響曲第6番。今、気になっているのは、ティーレマンとのブルックナー全集です。2023/01/26

どら猫さとっち

10
世界最高峰のオーケストラ、ウィーン・フィル。ハプスブルク家の治世から、現在まで伝統と前衛を受け継いできた。その秘密は何なのか。ウィーン・フィルを取材した著者が、その全貌を余すことなく綴っている。美しい旋律の裏で、ビジネス力の高さ、クラシックからジョン・ウィリアムズの映画音楽までのレパートリーの幅広さ…。ウィーン・フィルは、いろんなところですごい。2023/01/21

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