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内容説明
コロナ禍の中で見えてきたのは,「周期的な破綻(カタストロフ)」という問題である.経済学と生命科学が専門である著者たちは,現在が50年周期の大転換点にある,とする.現代化したカタストロフ論の視点から,日本と世界が陥っている現状を経済と生命の両面から解き明かし,迫りくるカタストロフへの具体的対処法を示す.
目次
はじめに 「現代カタストロフ論」とは?
第一章 カタストロフはどのように起こるか
1 新しい時代が始まる
2 繰り返す変異株の波 リアルタイムの進化の観測
3 五〇年周期で起きる政治経済の大転換
4 生命科学の五〇年周期のパラダイムシフト
5 イノベーションと創造的破壊
6 五〇年周期の政治諸制度の変化
7 新しい政治的分断と格差・貧困の拡大
8 人口減少と社会保障費削減の悪循環
第二章 なぜカタストロフに行きつくのか? 周期のメカニズム
1 繰り返しながら変わっていくことの科学
2 なぜ変異株が周期的に襲ってくるのか?
3 周期的カタストロフをデータから解き明かす
4 重なり合うカタストロフ
5 経済を周期で見る景気循環論
6 従来の景気循環論の問題点
7 自壊に向かう循環
8 カタストロフの底へ向かう循環 戦争とパンデミックの時代
第三章 カタストロフから新しい世界を創る
1 グローバルな感染症と向き合う
2 少子高齢化に対応した新しい産業革命
3 先端産業の衰退を克服する
4 地域からエネルギーと情報と生活のフィードバックを
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
内藤喜八
19
現在の世界経済やその周期を解き明かす説明、私のような経済学の知識や理解が乏しいものにとっては新鮮な趣きがある。数学を多用した最近の経済学や古典的な経済学が、現実にどのように効果がでているのか知らなけいけれども、この本にしばしば頻出する日本政府への全般的な批判やに日銀の政策などへの多くの反政府的意見である。いかなる素晴らしい学問も実際に応用されなければ、適切な、実務的なものとはいえない、ただの犬の遠吠えである。かなしいかな批判のための批判に終始している。なんと哀しいことか、読んで時間の無駄と徒労を感じた。2023/09/18
呼戯人
18
ラジオやユーチューブでおなじみの金子勝経済学教授とその中学時代からの親友で東大先端研で癌の研究をしている児玉龍彦さんによる共著。児玉さんはコロナ対策でも世田谷方式を主導するなど高い成果を上げた。そのふたりが経済現象と生命現象に平行するカタストロフの周期性を研究し、まさにコロナでも経済でも2022年が50年周期のカタストロフを起こすその瞬間に立ち会っていることを解き明かした意味深い理論。緊迫度の高い文章で一気に読んでしまった。昨日、黒田さんによる利上げでアベノミクス終了宣言が出たし、いよいよカタストロフか。2022/12/22
武井 康則
11
カタストロフ論とは、安定的に繰り返されながら徐々に変更されやがて新たな安定に向かうと言う生物と社会に見られる理論。もちろんそのまま破局を迎える場合もある。周期はどちらも50年で、今がその変曲点であるそうだ。第1章、第2章で科学、社会の歴史を振り返りながら理論を検証していく。その過程で日本のバブル以後、特に安倍政権以後の経済政策、コロナ対策を見ていくが、結果は以後の本文からの抜き書きの通り、散々たるもの。2024/05/18
青雲空
4
やっとカタストロフ論が少しわかった。前作の日本病から読み続けるのがいいのだが、本作だけでもよくわかる。 2023/12/30
oooともろー
4
安定した状態から次の安定した状態へ向う変節点。カタストロフへと陥るのか新たな安定した状態へと落ち着くのか。現代はまさにその分節点。アベノミクスの失敗を継続する現政権。絶望しかないのか?2023/04/25
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