内容説明
無意識は私たちの日常に深く影響している.夢・幻を精神分析するとき,無意識の世界が出現してくる.この無意識こそ文化を解読する重要な鍵である.フロイトやラカンに導かれ,ゴダール,シューマン,デルヴォー,宮沢賢治などの作品世界を逍遥し,無意識が奏でる組曲に耳を傾けてみよう.芸術の豊饒を身に沁みて享受できよう.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.
目次
第一章 起源の無意識──帰りたければ、帰ってきてもいいのです──
1 異国への帰郷──フロイトとゴダール
2 虫かごの帰宅──映画「おかえり」に寄せて
3 メロディーとの再会
4 幻の声を聞く
第二章 痛みの無意識──そういうものにわたしはなりたい──
1 宮沢賢治におけるサド的世界の可能性とその彼岸
2 絵を描くフロイト、絵を見るフロイト
3 ポール・デルヴォー、夢と欲望の孤独
4 ロベルト・シューマン、沈黙と幻聴
第三章 凝固する無意識──子供時代は、もうない──
1 作品たちの恥じらい
2 描画状況における主体
3 夢と無意識の欲望
4 夢の〈死体〉の静けさについて
第四章 彼岸の無意識──そがありけむあたりに、われきたるべし──
1 乳房の倫理学──メラニー・クラインの精神分析
2 分裂病と他者の欲望
3 精神分析の内景
4 汀のできごと
エピローグ ジグムント・フロイトの浦島太郎体験
参考文献
あとがき
初出一覧
奥付



