直木賞をとれなかった名作たち

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直木賞をとれなかった名作たち

  • 著者名:小谷野敦【著者】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 筑摩書房(2023/01発売)
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  • ISBN:9784480816870

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内容説明

直木賞をとってしかるべきだった83作品を独自基準で選出。理屈抜きに面白い名作を紹介し、文壇のこぼれ話を交え昭和から現在までの文学史を裏側から描き出す。

目次

まえがき/第一章 戦前昭和/夢野久作「ドグラ・マグラ」1935/中野実「花嫁設計図」1935/獅子文六「悦ちゃん」1938/坪田譲治「風の中の子供」1938/岩下俊作「富島松五郎伝」1938/太宰治「女生徒」1939/田中英光「オリンポスの果実」1940/第二章 戦後昭和I/織田作之助「それでも私は行く」1947/徳永直「妻よねむれ」1948/梶野悳三「ジャコ万と鉄」1948/大岡昇平「俘虜記」1949/コラム山田克郎の思い出/高木彬光「刺青殺人事件」1951/佐藤碧子「東京の人」1951/コラム海音寺潮五郎(直木賞こぼれ話1)/コラム藤原審爾と藤真利子/阿川弘之「春の城」1952/三島由紀夫「恋の都」1954/金達寿「玄海灘」1954/畔柳二美「姉妹」1954/コラム柴田錬三郎と「真田十勇士」/コラム事実と小説──井伏鱒二と直木賞/住井すゑ「夜あけ朝あけ」1954/コラム二等兵物語の謎/コラム檀一雄と「リツ子」(直木賞こぼれ話2)/コラム今東光の直木賞/西口克己「廓」1956~58/コラム戸川幸夫と『どうぶつ白話』/山田風太郎「甲賀忍法帖」1959/高橋和巳「悲の器」1960/福永武彦「廃市」1960/三浦朱門「セルロイドの塔」1960/コラム江分利満氏の疑問/島本久恵「長流」1961/棟田博「拝啓天皇陛下様」1962/コラム無名の直木賞作家は/コラム司馬遼太郎と藝術院/西村京太郎「天使の傷痕」1965/円地文子「なまみこ物語」1965/コラム二見書房と直木賞/森村桂「天国にいちばん近い島 地球の先っぽにある土人島での物語」1966/コラム立原正秋と川端康成/コラム渡辺淳一の悪評/船山馨「石狩平野」1967/コラム井上ひさし嫌いのわけ/花田清輝「小説平家」1967/コラム文学賞と政治/第三章 戦後昭和II/倉橋由美子「夢の浮橋」1971/広瀬正「エロス」「ツィス」1971/筒井康隆「脱走と追跡のサンバ」1971/瀬戸内晴美「いずこより」1972/夏樹静子「蒸発 ある愛の終わり」1972/辻邦生「背教者ユリアヌス」1972/素九鬼子「旅の重さ」1972/深沢七郎「盆栽老人とその周辺」1973/川上宗薫「流行作家」1973/吉村昭「冬の鷹」1974/星新一「祖父・小金井良精の記」1974/コラム城山三郎の政治的立場(直木賞こぼれ話3)/コラム半村良の「市井もの」/コラム長部日出雄の「転向」/有吉佐和子「複合汚染」1975/コラム佐木隆三と筒井康隆/曽野綾子「木枯しの庭」1975/萩原葉子「蕁麻の家」1976/高橋たか子「誘惑者」1976/島尾敏雄「死の棘」1977/中野孝次「麦熟るる日に」1978/竹西寛子「管絃祭」1978/橋本治「桃尻娘」1978/大西巨人「神聖喜劇」1978/灰谷健次郎「太陽の子」1979/笹沢左保「詩人の家」1979/中村光夫「グロテスク」1979/野口冨士男「散るを別れと」1980/戸川猪佐武「小説吉田学校」1980/青山光二「われらが風狂の師」1981/西村寿行「老人と狩りをしない猟犬物語」1981/ふくださち「百色メガネ」1981/コラム「二人受賞」の明暗/立松和平「蜜月」1982/コラム向田邦子、田中小実昌、林真理子……/富岡多恵子「波うつ土地」1983/コラムつかこうへいと唐十郎/赤川次郎「ヴァージン・ロード」1983/大原まり子「銀河ネットワークで歌を歌ったクジラ」1984/堺屋太一「豊臣秀長」1985/村上春樹「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」1985/コラム「私小説」は直木賞に有利か/金井美恵子「文章教室」1985/岩橋邦枝「伴侶」1985/山村美紗「小説長谷川一夫 男の花道」1985/コラム恐怖の皆川博子/小杉健治「絆」1987/山田太一「異人たちとの夏」1987/コラムいきなり芥川・直木賞/山田智彦「蒙古襲来」1988/笹山久三「四万十川 あつよしの夏」1988/村田基「フェミニズムの帝国」1988/コラム「大手出版社」とは/津島佑子「真昼へ」1988/コラム遠い海から来た叙情と描写/第四章 その後/三浦綾子「われ弱ければ 矢嶋楫子伝」1989/コラム林真理子と宮尾登美子/吉本ばなな「TUGUMI」1989/折原一「倒錯のロンド」1989/山口雅也「生ける屍の死」1989/コラム泡坂妻夫と直木賞(直木賞こぼれ話4)/佐伯一麦「一輪」1990/北方謙三「破軍の星」1990/コラム永六輔の唯一の小説/宮部みゆき「火車」1992/下田治美「愛を乞うひと」1992/岩阪恵子「淀川にちかい町から」1993/石井桃子「幻の朱い実」1994/佐江衆一「黄落」1995/松山巌「闇のなかの石」1995/コラム佐藤雅美の『恵比寿屋喜兵衛手控え』/浅田次郎「蒼穹の昴」1996/貴志祐介「天使の囀り」1998/コラム日本人作家が外国人を書く/郷ひろみ「ダディ」1998/緑河実紗「心を殺された私 レイプ・トラウマを克服して」1998/コラム「赤目四十八瀧」VS「兄弟」/小林恭二「父」1999/岩井志麻子「ぼっけえ、きょうてえ」1999/伴野朗「呉子起つ 流転の天才将軍」1999/倉阪鬼一郎「活字狂想曲 怪奇作家の長すぎた会社の日々」1999/大原富枝「草を褥に 小説・牧野富太郎」2001/片山恭一「世界の中心で、愛をさけぶ」2001/谷川流「涼宮ハルヒの憂鬱」2003/俵万智「トリアングル」2004/コラム紫綬褒賞と直木賞/リリー・フランキー「東京タワー──オカンとボクと、時々、オトン」2005/コラムアニメ・特撮と作家/勝目梓「小説家」2006/コラム神に愛された白石一文/梓沢要「女にこそあれ次郎法師」2006/諸田玲子「奸婦にあらず」2006/伏見つかさ「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」2008/冲方丁「天地明察」2009/コラム北村薫と「上流階級」/小野不由美「残穢」2012/百田尚樹「夢を売る男」2013/舞城王太郎「淵の王」2015/宮崎伸治「出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記」2020/コラム高齢化社会と直木賞/コラム無理やり小説を書いてみる/エピローグ──あえて入れなかった作家たち/坂口安吾・内田百閒・武田泰淳/中村真一郎・椎名麟三・埴谷雄高・野間宏・田宮虎彦/三枝和子・小林信彦・澤田ふじ子/栗本薫・椎名誠・中島らも・荒俣宏・帚木蓬生・新井素子/あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

205
直木賞をとれなかった過去の名作に興味があり読みました。小谷野 敦、初読です。著者独断と偏見の裏直木賞史、資料としては興味深いですが、学者の著者が作家としては売れておらず、直木賞も受賞していないので、面白みには欠けます(笑)個人的には、純文学大衆文学の区別なしに、新人賞は芥川賞、ベテランの作品は直木賞という位置づけが解り易いので、是非改革して欲しいと思います。 吉川英治文学(新人)賞が御手本です。 https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480816870/2023/02/17

kokada_jnet

83
著者が高く評価する、私小説や事実を元にした小説を中心に紹介し、それにいつもの猫猫節を大量におりこんだ面白本。エピローグで、小林信彦についてふれており。多くの前衛的作品を読み込んだ後に「名声のわりに内実がともなわなかった作家」と切り捨てているが。小林信彦の過剰さが、小谷野先生に、なにか過剰なサムシングを与えた瞬間と感じた。小林信彦の第二長編『汚れた土地』、第三長編『冬の神話』、短編集『監禁』などは、ひたすらにくらーい「事実を元に描いた」作品なので、機会があれば、ぜひ、小谷野先生に読んでいただきたいものです。2023/06/29

ゆみねこ

77
小谷野敦さん、初読み。直木賞をとれなかった名作の紹介かと思ったら、文壇の裏話的な話題やら、著者自身の好みに合うか合わないかが基準の批評の羅列であまり参考にならず。残念!他の皆さんがおっしゃるように「人命」を冠した文学賞は残念な誤植。2023/03/05

しげ

70
この書籍タイトルから最初に思い浮かんだのは横山秀夫さんでした。「ルパンの消息」からほぼ全て読んでいます。残念なが横山さんの「半落ち」事件についてはノータッチで妙な忖度を感じました。本書の企画やテーマは興味深いのですが入って来なかったなぁ…2023/06/03

Carlos

44
著者の主観が多くイマイチ。2023/08/04

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