内容説明
幕末に死んだはずの元新撰組・原田左之助は、松山勝と改名して東京の片隅で古物屋を営んでいた。明治11年8月、彼のもとを警部補として新政府に仕える藤田五郎(斎藤一)が訪れた。「今頃何しにきやがった」――すると藤田は人買いなど悪事に手を染める元長州藩の士族を調べて欲しいと依頼した。新聞錦絵の記者をする高波梓こと山崎烝とともに調査を進めると、予想外な真相に辿り着く。細谷正充賞(21年)、日本歴史時代作家協会賞作品賞(22年)を受賞した文庫界の風雲児・矢野隆が新選組の生き残り3人の活躍を描く、エンタメ120%のノンストップ新撰組小説!
目次
序
至誠の残滓
残党の変節
闇夜の盛衰
富者の懊悩
愚民の自由
淑女の本懐
至誠の輪廻
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
エリ本
5
若干ストーリーは地味で物足りなさがあったような。でも元新選組という素性を隠して生きなければならなかった境遇を考えたら、こうなるのも仕方ないなと思った。表向き何もかも新しい世の中になったように見えて、実は裏では幕末当時の敵味方のしがらみはあったということがよく分かった。近藤や土方、沖田の名前が出てくる度にキュンとなった。2023/06/21
ワンモアニードユー
4
新選組物、かつ想像を膨らませた珍しい設定だったので手に取りましたが、うーむ。どう評したものか。面白くないわけではないし、設定も秀逸。原田や山崎のキャラ付けも凝ってるのだが、どうにも活き活きしてない。想像の設定なのにどうにも暗く、原田や斎藤、山崎である必要も感じられない。ストーリーではなく本能的に。残念。2022/12/02
逢日
1
今年2023年の幕末月間はこの本から。新選組で、なんといっても華々しいお三方を押し退け、明治に生きた3人を描くフィクション。洋館に斬り込む場面が池田屋を彷彿とさせ面白かった。2023/05/14