ちくまプリマー新書<br> 「心のクセ」に気づくには ――社会心理学から考える

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ちくまプリマー新書
「心のクセ」に気づくには ――社会心理学から考える

  • 著者名:村山綾【著者】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 筑摩書房(2023/01発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480684424

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内容説明

「不運は日頃の行いのせい」「天は二物を与えず」など、人間には「ついこう考えてしまう」クセがある。時には、そのクセが困った事態を引き起こすことも。その背景がわかれば、もっと心から自由になれるはず。

目次

はじめに/第1章 人は、「結果」に対する理由がほしい/原因帰属とは/「テストでいい点数が取れた理由」──内的帰属と外的帰属/内的帰属・外的帰属の分かれ道──ケリーの共変動理論/一期一会の原因帰属/誤った原因帰属のパターンを知ろう/帰属の文化差/アスリートの試合報道における日米の違い/まとめ/第2章 人は、秩序ある社会への強い想いを抱く ──公正世界理論とは/「私はただ上官の命令に従っただけ」──権威への服従実験/「辛い目にあうのはその人自身のせい」/公正世界理論とは/あなたの中の公正世界信念は?/公正な世界を信じる利点/2種類の公正世界信念/犯罪加害者・被害者への反応と公正世界信念/「世の中理不尽なことだらけ」──不公正世界信念/まとめ/第3章 人は、因果応報ストーリーを好む/あなたの記憶に残る絵本は?/公正世界の因果ルールに基づく推測──視線計測を用いた実験/公正世界信念を維持する手段としての公正推論/幸運・不運と公正推論/不運に対する公正推論の文化差/日本人を対象とした研究/仏教を信仰する日本人と特定の信仰がない日本人/まとめ/第4章 人は、世界をカテゴリー化して理解したい ──ステレオタイプ・偏見・差別/白熱する運動会/サマーキャンプでの争い──泥棒洞窟実験/社会の中のさまざまな集団/特定の社会集団に対するイメージ──ステレオタイプと偏見/偏見が生む差別/印象判断における重要次元──「能力の高さ」と「温かさ」/ステレオタイプ内容モデル/温情主義的偏見やステレオタイプがダメなわけ/偏見や差別を少なくするには/まとめ/第5章 人は、そもそも予測できない将来はのぞまない ──現状肯定の心理/意地悪なお金持ち、心豊かな貧しい人/社会集団に由来する格差/格差の正当化/天は二物を与えず/身近にある「システム正当化」──その校則、必要ですか/どんな「変化」を嫌う?/気候変動とシステム正当化/まとめ/第6章 「私」として考え、行動するために/コミュニケーションの多層性を意識する/不安や不確実性が生み出す問題──新型コロナウイルス感染症を例に考える/データを使って不安のもとを可視化する/不確実性を受け入れる/過去ではなく未来を眺める/変化をはじめる/変化を生むマスメディア・政治の力/おわりに/あとがき/参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ホシ

18
原因帰属、公正世界理論(公正世界信念)、公正推論、集団バイアス、現状維持バイアスについて詳しく解説します。これら認知バイアスは個人から社会までの「階層」で整理できることを指摘し、情報のデータ化と可視化、ネガティブ・ケイパビリティ、目的論的思考法、言語によるコミュニケーションが認知バイアスの陥穽を暴き、善良な社会の構築へと繋げられると私は捉えました。異文化コミュニケーションの齟齬は私の専門領域にも関わる内容でありますが、これが原因帰属によって、どのように説明されるか等、得るものが多い1冊でした。良書。2023/03/16

テツ

15
思考の方向性や社会の見方、それに伴う世界との対峙の仕方にはクセがある。どんなに客観的に公平に全てを俯瞰しようとしても、それは主観に塗れている。あたりまえといえばあたりまえのことなのに、それを弁えてすらいない方々って山のように存在するよな。まずそこに気づくことと、意思決定を下すときに常に「これは歪んだ主観に塗れた視点なんだ」と自戒しておくことが大切。社会を眺める視線も、ジャッジする感覚も歪んでいる。それさえ忘れなければ、人がやらかしてしまう悲劇や過ちの大半をケアできるような気がする。2023/01/12

ちょこ

12
社会心理学から心のクセについて考える1冊。いかに私たちの物の見方がバイアスかかってるかということである。落ち度があったからひどい目にあったのは本当にそうなのだろうか。因果応報ストーリーを好むがそれは果たして正しいのか。公正世界信念を信じる利点は精神の安定である。一寸先は闇なんてなれば人は未来を信じるなんてできなくなる。故に大切なことであるが犯罪被害者への心ない誹謗中傷にも繋がったりする。人は社会で生きる生き物である。思考のクセも社会と密接に関わっている。社会心理学って面白い学問だなあ。2023/11/06

えりー

7
日記をかいて、客観的に自分の思考を見えるようにしよう。←思考のクセを自覚できても、このクセを変化や改善させたりするのが現実は難しい! 何十年も同じ考え方、同じ行動をしてきちゃうと新しいやり方を身につけるのは大変。でも、変わりたい、変化させたい!って思い続ければ少しずつ違う自分の考え方が出来てくるかも?どんなことでも、簡単なことよりも少し難しいことに挑戦したほうが、満足感や達成感は大きい。2024/02/19

ソーシャ

6
公正世界信念やシステム正当化理論など社会を見るときに陥りがちな考え方についての社会心理学の知見を(中高生でもわかるように)解説した新書。理論だけでなく、実証的な根拠やそこから発展して得られた知見まで紹介しているのも嬉しいポイントです。はっきりと明示されてはいないのですが「社会の分断」が問題になる時代だからこそ、それを生む心理学的メカニズムを伝えようという著者の思いを感じました。2023/01/10

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