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内容説明
「パワハラとは何か? どうしたら防げるのか?」―― 実は、多くの人がわかっていない。著者は、パワハラ測定の尺度を開発し、誰が行為者になり、どのような性格特性の上司がパワハラしやすいかを10年以上にわたり研究。科学的データを基に、対策を実施してきた。「仲がよければいい」「関わらなければいい」など、多くの人がやってしまっている誤った対応を明らかにし、本当に防ぐにはどうすればいいのかに迫る。
目次
はじめに/第1章 パワハラとは何か/1 パワハラの定義と判断要件/「改正労働施策総合推進法」におけるパワハラの定義/パワハラの六類型/事業主に義務付けられた雇用管理上の措置と罰則/パワハラの判断方法/2 パワハラの発生状況/厚生労働省による調査/新しいハラスメントの台頭:リモートハラスメントとテレワークハラスメント/男性と女性では、どちらがよりパワハラを受けているのか/パワハラ対応の男女差/第2章 誰がパワハラをしているのか/1 パワハラ行為者の職位/行為者の七割が「上司」/どのように聞くかで、パワハラを受けている人の割合は大きく変わる/2 なぜ、上司はパワハラをしてしまうのか/人は優越性を得ると横柄になる/3 パワハラ行為者の性別/パワハラ行為者には女性よりも男性が多い/なぜ、パワハラ行為者に男性が多いのか/(1)管理職に男性が多い/(2)男性の方が攻撃的な行動を取りやすい/(3)〝有害な男らしさ〟の影響を受けている/(4)男性の方が相手の感情を読み取りにくい/(5)パワハラ行為を行いやすい性格傾向を持つ人が男性に多い/4 パワハラ行為者の性格特性/ビッグ・ファイブ・パーソナリティーとヘキサコモデル/いじめとパワハラ加害者の性格傾向/邪悪な性格特性:ダークトライアド/組織に「邪悪な性格特性」を持った人がいるとどうなるのか/管理職登用の際に、邪悪な性格特性を持つかどうかをスクリーニングする/なぜ社会は、「邪悪な性格特性を持つ人」を評価してしまうのか/ダークトライアドとパーソナリティ障害/反社会性パーソナリティ障害/自己愛性パーソナリティ障害/5 パワハラ行為者の個人特性に着目したパワハラ対策/(1)パワハラ行為者に「自ら気付いてもらう」という幻想を捨てる/(2)文書で注意を行う/(3)管理職への登用の際、性格傾向にパワハラ気質がないか確認する/第3章 パワハラを引き起こす上司の三大リーダーシップ形態/1 破壊的リーダーシップ/破壊的・建設的リーダーシップモデル/組織には損害を与えるが、部下に対しては〝破壊的〟でないリーダーシップ形態もある/2 脱線型の上司/脱線型リーダーシップとは/3 専制型の上司/専制型リーダーシップとは/会社の方針や施策が、専制型リーダーシップを奨励している場合がある/破壊的リーダーシップを発揮させる毒の三角形/専制型リーダーシップは、長期的には部下のパフォーマンスを下げる/なぜ専制型上司からのプレッシャーや要求度が高いと、部下は疲弊していくのか/なぜ専制型上司は部下の自尊心を傷つけるのか/恐怖と不安のマネジメントは、不正行為や逸脱行為を増やす/4 放任型の上司/放任型リーダーシップとは/日本に多い放任型・消極型上司/パワハラ防止研修が、放任型上司を増やしている/上司が放任型だとパワハラが新規に発生しやすく、部下もメンタルヘルス不調になりやすい/放任型リーダーシップがパワハラ発生につながるメカニズム/専制型上司の上に放任型上司がいる職場が、最も危ない/第4章 なぜパワハラは起こるのか──パワハラが発生するメカニズム/1 個人的パワハラと構造的パワハラ/2 個人的パワハラの発生要因/(1)自尊心が不安定に高い/米国におけるセルフ・エスティーム・ブーム/顕在的自尊心と潜在的自尊心/(2)感情知能が低い/(3)自分の言動が他者にどのように影響するか認識ができていない/(4)他者に対する期待水準が高い/(5)厳格な親タイプ/3 パワハラしやすいタイミングはいつか/新しくパワーを得た時/ストレスが高い時/4 いじめ・パワハラの発生と進行過程/神戸市教員いじめ・暴行事件から見るパワハラの進行過程/暴走するパワハラ行為者を止めるのは管理職の責任/5 構造的パワハラ/人が集団である限り、差別や排除は必ず起きる/ソーシャル・キャピタルとパワハラ/発達障害者へのパワハラ/日本の全制的施設的職場/6 パワハラを誘発させる職場環境はどのようなものか/要求度やプレッシャーの高い職場/役割葛藤・役割の曖昧さのある職場/冗談やからかいを容認している職場/「男らしさ」が求められる職場/体育会系職場/パワハラが起こりやすい職場チェックリスト/第5章 パワハラ上司にならないためにはどうすればいいのか/1 「部下と自分は対等な同僚だ」と認識する/上司が持つ「横柄さ」「傲慢さ」を手放す/部下が抱えている困難に耳を傾ける/2 安定した自尊心を持つ/運動による自尊心向上効果/3 感情知能を高める/上司の感情知能が高いと、個人にも組織にも良い影響がある/感情知能の構成要素/(1)自己認識力/感情の自己認識/正確な自己評価/(2)自己調整力/感情の自己抑制/感情の自己調整力に関わる他の要素/感情の自己調整力を高める方法/(3)社会認識力/(4)関係調整力/4 ストレスにうまく対処し、体調を整える/5 世代間・文化間のギャップを認識する/上司世代と部下世代のモチベーションギャップ/部下世代は「承認」を求めている/日本人労働者と外国人労働者のギャップ/日本の職場で「当たり前」に行われていることが、外国人にとってはパワハラとなる/6 個別配慮型リーダーシップを発揮する/マネジメントとリーダーシップの違い/リーダーシップは難しいものではない/個別配慮型リーダーシップとは/(1)部下の長所を伸ばせるように助ける/(2)部下一人ひとりが違うニーズ、モチベーション、スキル、キャリア展望を持っていることを頭に入れて接する/(3)単なる集団の一員としてではなく個人として接する/7 部下に耳の痛いことを伝えるにはどうしたらよいか/(1)周りに人がいない状態で行う/(2)ほめられる点・できている点を先に伝える/(3)人格否定をせずに何をどうしてほしいのか伝える/おわりに/参考文献
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
はっせー
ひと
ちゅんさん
井月 奎(いづき けい)
うえぽん
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