ドナウ、小さな水の旅 ベオグラード発

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ドナウ、小さな水の旅 ベオグラード発

  • 著者名:山崎佳代子
  • 価格 ¥2,640(本体¥2,400)
  • 左右社(2023/01発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
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  • ISBN:9784865283549

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内容説明

確かな歩幅で選ばれた詩人の言葉が、背中を向けようとする歴史を今に留める。――堀江敏幸

この世界のすべての水は故郷の水とどこかでつながっている。この鋭く優しい描写に身をゆだねれば、知らなかった土地にも泳いでいける。――奈倉有里

バルカン半島の国セルビア在住の詩人・山崎佳代子による最新エッセイ集。二千年の間に百五十もの戦争によって破壊され、そのたび蘇ったことから不死鳥に例えられる首都・ベオグラード。その地から、ヨーロッパ第二の大河と呼ばれるドナウ河に繋がる小さな支流をめぐり、時間の旅が始まる――

目次

プロローグ
旅がはじまろうとしている

地球は震えている 東京からベオグラードへ
秋の海、ではなく ドナウをくだりスメデレボの古城へ
石、風、火 ドナウをわたりルーマニアへ
村、水、炎 モラバ川をたどってゴロビリェへ
橋と子供 サバからドナウへ哀しみは流れ
鳩たちの砦 ドナウをくだり古城ゴルバッツへ
廃屋のある情景 ミロブシティツァ川をたどりルタニ山へ
移動の詩人ベンツロビッチ ラーチャ川からドナウへ
寒い日々の物語 ドナウをのぼりノビサドへ
円卓会議の故郷 ドナウをのぼりスレムスキー・カルロウツィへ
『ドリナの橋』へ船の旅 ドリナ川をのぼりビシェグラードへ
茜色の大聖堂 イバル川をたどりジチャ修道院へ
水の妖精 ドナウをくだりレペンスキー・ビルへ
はるかな薔薇色の国 サバ川の岸辺から
丘に眠る人々 ドリナ川をたどりバリェボへ
水のはじまり ドリナ川からターラ山の水源をたどって
骸骨の物語 ニシャバ川をたどりニーシュへ
大地は力を尽くして ドリナ川をわたりロパレ町へ
聖なる水とクジャク ドナウをたどり東セルビアへ
ベオグラード物語 ドナウがサバ川と出会うとき
人形たちの声 バニツァ強制収容所記念館にて
子供と小鳥 ドナウに浮かぶ大戦争島から

エピローグ
旅のための書物たち
初出一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイティ

25
セルビア在住の詩人による、ドナウを12年間にわたり旅した紀行エッセイ。栄華と支配、抑圧を繰り返し、戦火に見舞われ続けたバルカン半島の国々。彼女が旅先で出会う人々には、壮絶な歴史背景とは切り離せない生き様を感じさせる。ヨーロッパの大動脈であるドナウ河だが、その支流で営まれるささやかな生活の息吹が伝わってくるよう。慣れない地名ばかりでなかなか進まなかったけど、手放したくなく読了。左右社のnoteでも一部公開されています。https://note.com/sayusha/m/mb0a36e6352d12023/03/14

kankoto

10
セルビア、ベオグラード在住の詩人、山崎佳代子さんがドナウ河に繋がる支流の河、街を巡る。読んでいる私は彼女の視線に乗っかって旅する。その景色と出会った人々を思い浮かべ想像しながら。 私はセルビアという国について殆ど知らなかった。この作品には繰り返し繰り返し太古からのこの地方の歴史が語られる。そこに著者の思いがある。 遠い国の歴史を生きてきた人々、彼女の目を通してその人々の辿ってきたものを思う。それにしてもこの地方で歴史の重なりの中でなんと多くの人々のいのちが奪われた事だろう。2023/07/05

チェアー

6
自分が何を失ってきたのかを教えられるような気がした。得てきたものもあったはずなのに、あのミルクの味や、草いきれの匂い、月の光、それらはどこに行ってしまったのだろう。歴史の中で果てて行った人々の姿を目の前にして、自分はどんな歴史の一部になろうとしているのかと思う。 地図と年表、写真があればもっと文章のイメージも的確になったと思い、残念。 2023/03/03

KT

0
「群青の闇に鐘が響きわたり、黒衣の修道女が次々に聖堂に集まり、円蓋の窓が暁の空を切り取る。(中略)儀式が終わるころ、天蓋の窓は明るんで、朝が訪れていた。」(p.136)2024/01/05

noa

0
図書館本。はまらなかったので途中まで。2023/03/10

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