内容説明
学生のときこんな話を聞いていたらはじめから行政法をもっとおもしろいと感じていただろう,という著者自身の思いを込め,抽象的でむずかしいといわれる行政法のあらましを,やさしい語り口で講義する。改正行政不服審査法の2016年4月施行に合わせて,待望の改訂。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
弥勒
8
行政法を初めて学ぶものにとっては大変良質な入門書であろう。行政法はこれまで多くの改正がなされてきた。最近では平成26年の行政不服審査法の全面改正がたいへん有名である。この版が発行されたのは平成28年に出版されているのでこの部分もカバーしている。ただし、あくまで入門書のレベルであるので、専門的な議論には触れず、行政法において重要な用語や要件についてだけが書かれてあることには注意をしておいたほうがよいであろう。2017/03/17
ヤギ郎
7
行政法学の第一人者であり、最高裁判事を務めた藤田宙靖先生による行政法入門。本書と判例集があれば行政法を概ね学べる安心感のある一冊。国家公務員法や地方自治法についての詳しい説明(章)は無い。行政行為と行政訴訟の類型を丁寧に説明していて、学ぶところが多い。何度も読んでしっかり頭に入れたい。なお、本書第七版において「行政審判」の内容が削除されている。2021/04/15
tieckP(ティークP)
5
しばらく他にすることがあって(今もあるけど)、法律の本を楽しく読む活動を疎かにしていたけど、当時、勢いで行政書士試験に申し込んでいて、一昨日それがあった。先週、全体を思い出すために本当に基礎的な本だけでも読み返そうと考えたとき、頭に浮かんだのが本書で、たしかにこの内容だけで受かるものではないけれど、全体にとって幹のような内容が収まっていて、頭を法律モードに切り替えるのにとても役立った。何度読んでも素晴らしい語りと無駄のなさで、広く読まれて欲しい。なお試験は記述抜きで受かりました。2019/11/12
tieckP(ティークP)
5
東北大の法学部長等を務めた方が、放送大学用に書いたテクストを一般向けに書き改めたもの。なおその後、最高裁の裁判官になっている。カバーデザインの落着きと肩書きから難解そうに見えるが、語り口は柔らかい。本書の括られる「入門書」というカテゴリーは評価が高い場合「分かりやすい」と評されることが多く、本書もそれに該当するが、くわえて「良質」や「名著」と説明される珍しい本で、行政法を天体になぞらえる冒頭の文章に始まり、扇動することのない落ち着いた知識の供与の姿勢は理想の教養人といえる。内容と文体の両面で読むに値する。2019/06/06
オランジーナ@
3
大変読みやすかった2022/10/28