ここに素敵なものがある

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ここに素敵なものがある

  • ISBN:9784910053349

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内容説明

かなしくて、さびしくて、優しい人に。

リチャード・ブローティガン(『アメリカの鱒釣り』『西瓜糖の日々』)、新訳詩集。

詩のささやきが放つ色気にすっかりやられてしまった。不幸せな者、それでいてどうしようもなく優しい者だけが持つ、強烈な色気。ささやきでしか、本当のことは語れないのかもしれない。(向坂くじら・詩人)

『西瓜糖の日々』が文庫化されたのが2003年。大学1年生だった私はブローティガンに大いに影響を受け、物語るように歌詞を書くようになった。狂気を語る穏やかな声は、きっと今も遠くまで響くことだろう。(高城晶平・cero)

【著者】
リチャード・ブローティガン
作家、詩人。1935年、ワシントン州タコマ生まれ。56年、ジャック・ケルアック、アレン・ギンズバーグらビート・ジェネレーションの集うサンフランシスコへ。67年に小説『アメリカの鱒釣り』を刊行、世界的ベストセラーとなる。主な著作に『西瓜糖の日々』『ビッグ・サーの南軍将軍』など。風変わりで諧謔に富んだ作風は世界中の若者たちの想像力をかき立てた。84年、ピストル自殺。

目次

葉書と自伝

愛から

セクション3から

多士済々、愛すべき人々

詩五篇から

モンタナ、一九七三年から

追伸

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ベーグルグル (感想、本登録のみ)

33
タイトルと表紙絵に惹かれて。アメリカ人作家であるリチャード・ブローティガンの新訳詩集。短い詩だがすべて独特の感性で全く分からず、私にはピンとこなかった。2023/12/06

Y2K☮

33
山陽堂書店で衝動買い。ブローティガンの詩集だから同時代のギンズバーグみたいな叫ぶ系の長広舌を予想していた。むしろジョン・レノンのホールド・オンやラヴなどに近い。訳者あとがきを読んで納得。おそらく一般的な欧米の詩とは異なり押韻やリズムを重視しているわけではないので、外国語に訳すことで削ぎ落とされるものが少ない気がする(むしろ日本語が最適とすら感じた)。ヘミングウェイ的な世界観、力強いマッチョイズムを否定はしない。でもその大きな網からは漏れがちな微かな声を掬い上げるこういう作品の方が詩を欲する魂に響くのでは。2023/04/19

サンタマリア

33
ささやき声で優しい人間になる方法があるなら教えてくれ。この糞みたいな声で。『軍馬』『1/忘れられた事物の曲線(カーヴ)』が良かったな。2023/03/12

元気

32
好きな詩→「ぼくは心をこめてこんにちはといった、だけど彼女はもっと心をこめてさようならといったのさ」「恐怖からきみは一人ぼっちになるだろう、きみはいろんなことをする、だけどどれもぜんぜんきみらしくない」「ここに素敵なものがある。きみがほしがるようなものはぼくにはほとんど残っていない。それはきみの掌のなかで初めて色づく。それはきみがふれることで初めて形となる」2023/05/30

ykshzk(虎猫図案房)

22
あとがきによると、アメリカは詩人が住みやすい国ではないらしい。なんだかんだやはりマッチョの地位が高いので、その枠から外れがちな詩人は肩身が狭いようだ。シュールな短い詩も、ちょっと英米の詩の傾向とは違ったらしい。でも日本とフランスでは、本国でのブームが去っても彼の本の出版は続いたようだ。日本に移り住んでいたら自ら命を絶たずに済んだかもと思ってしまう。表題の詩も良かったけど、心に残った詩はこれ「恐怖からきみは一人ぼっちになるだろう、きみはいろんなことをする、だけどどれもぜんぜんきみらしくない」。2025/04/05

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