講談社学術文庫<br> 中国の神話 神々の誕生

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講談社学術文庫
中国の神話 神々の誕生

  • 著者名:貝塚茂樹【著】
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  • 講談社(2023/01発売)
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  • ISBN:9784065306772

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内容説明

「子は怪力乱神を語らず」。孔子に代表される儒教の合理的精神のもと、早くに歴史の中に取り込まれ、断片的にしか伝わることがなかった中国神話。『山海経』や『楚辞』、甲骨資料などわずかに残された痕跡から、一つ目、一本足で猿面の山神を主人公に、古代中国史の泰斗が神話世界を大胆に復元する!

最古の地誌であり、儒学の厳しい検閲の網を逃れて現代にまで生き残った、さまざまな怪物が登場する『山海経』。そこには一本足で、声は雷のごとく、黄帝が生け捕りにして皮をはいで鼓をつくり、その骨をばちに打ち鳴らすと五百里四方にとどろいたという山の怪物が登場する。また別の個所では楽園の番人を殺して不死の木の実を盗んだ罪によって、足にかせをはめられ、両手と髪を縛ってある山の木に逆さ吊りにされた怪物も現れる。このいずれもが「き」という音で呼ばれる、本書の主人公である。
司馬遷が『史記』で歴史のはじめにおいた黄帝と、その強敵である蚩尤はともに風雨、とりわけ風を呪術的に自在に操る力を持っていた。風の神は同時にふいごを使う鍛冶神にも通じ、そして「き」もまた、鍛冶と深いかかわりがあったという。
多くは猿面で一つ目、一本足で表象されるこの山神を出発点に、柳田國男や折口信夫の民俗学的手法や日本神話、時にはバビロニアのマルドゥク伝説からもヒントを得ながら、古代のはるか遠い祖先神をめぐるひとつの物語として中国の神話を大胆に復元し、さらにその後、儒教化によって神話が歴史へ、呪術が宗教へと変容するまでを描く。神話世界を冒険するかのようなスリリングな魅力に満ちた一冊。
(原本:『中国の神話――神々の誕生』筑摩書房、1971年)

第一章 異形の神像
第二章 瞽師の伝承――中国の語部
第三章 風の神の発見
第四章 鍛冶師と山の神
第五章 文化的英雄の誕生――三皇五帝
第六章 神話の世界の消失
第七章 乱――エピローグ
あとがき
解説 蜂屋邦夫

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

榊原 香織

68
面白かった。 古代中国からメソポタミア、日本の民俗まで、どんどん話が広がる。 甲骨文字のMr.白川静より前の人だよね?2023/06/15

さとうしん

15
オリエントなどの神話や日本神話なども参照して失われた中国神話を復元し、読み解くという趣向は白川静の『中国の神話』と同様だが、一つ目、一本足の伝承など柳田国男、折口信夫による日本の民俗学の成果を大きく取り上げているせいか、議論のスケールが妙に小さくなってしまっている感じがするのが残念。『山海経』を主要な資料としているのも賛否が分かれるところだろう。2023/01/14

サケ太

10
様々な神話と比較して、“中国の神話”で語られているものを考察していく。蚩尤についての考察は日本のたたら製鉄にも言及があり面白く読めた。2025/03/24

kokekko

3
つんどく消化。読みやすく面白い一冊だったが、あまり「神話」を語っている感じはせず、どちらかというと文字の成り立ちや、その文字の語呂合わせや同音から派生した神さまの異名などの論が多かった気がする。『山海経』には関係した記述があるものの、『捜神記』などほど物語要素をたくさん説いてくれる本ではない。読みやすい学術書という感じ。2023/09/21

鴨の入れ首

2
【年間500冊読破】2023年刊(現本は1963年刊)。図書館本です。中国神話についての考察を論述した学術書です。歴史書を読んでも記述が少なく全容が掴みにくい中国神話を、オリエント神話や日本神話伝承などをふまえつつ解説しており、その冒険的な試みに凄いなと思いました。大変興味深い本です。2025/02/01

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