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内容説明
『堕落論』で有名な坂口安吾だが、彼の作風の神髄は、戦国小説においてこそ発揮されている。本書は、無頼の生涯を送った奇才・坂口安吾が戦中・戦後に著した、戦国時代を舞台にした四編(「梟雄」「決戦川中島 上杉謙信の巻」「狂人遺書」「イノチガケ」)を収録。確かな史料に基づいた、短編ながらも道三の波乱に満ちた生涯が手に取るようにわかる「梟雄」、自由自在に時代を駆け巡る、安吾独特のルポ「決戦川中島」、秀吉が死の床で自らの半生を回想する「狂人遺書」、伴天連に襲いかかる苦難を臨場感あふれる筆致で描いた「イノチガケ」など、『白痴』『桜の森の満開の下』だけではない、歴史小説の「開拓者」坂口安吾の縦横無尽な筆致による傑作群が一度に堪能できる一冊! 巻末には、「最後の安吾番」として編集者生活をおくり、実際に本書収録の「梟雄」の原稿を受け取った作家・半藤一利氏のインタビュー付き。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ただいま蔵書整理中の18歳女子大生そっくりおじさん・寺
60
坂口安吾の戦国物短編集。とは言うものの、たくさんある安吾の戦国物の中から4篇のみ。既読の『梟雄』『決戦川中島 上杉謙信の巻』は飛ばして、未読だった『狂人遺書』『イノチガケ』のみ読む。『狂人遺書』は2019年10月現在まだ青空文庫に未収録だが、収録済の『我鬼』を一人称にリライトした感じ(『我鬼』は『二流の人』にも挿入されている)。豊臣秀吉のモノローグになった事で、太宰治『駆込み訴え』のような朗読したくなる内容になっている。そして戦前に書かれた『イノチガケ』、戦国~江戸中期に至るキリスト教物語(つづく→)2019/10/18
まめこ
19
★★★☆☆秀吉の虚勢と見栄による自縄自縛。最初は己の心境を自己分析する余裕もあるが、抑えのきかない狂気に囚われてゆく独白「狂人遺書」。朝鮮侵略は貿易目当て、モトドリ追悼は家康へのお追従だろ、と欲望や余人の心理を皮肉る内容は知性を感じさせるが、秀次成敗あたりからはほんまに怖かった。「イノチガケ」は火あぶり穴つるし氷責と繰り返される殉教の羅列に滅入る。痛快…タイトル間違ってないか?2021/12/05
さっと
7
半藤一利氏の訃報に接して、氏が文春の新人編集者のときに初めて受け取った原稿「梟雄」を読んでみたくて。これは斎藤道三の成り上がり一代記であるが、道三と信長の関係性や濃姫の名前を世間に広めた歴史的作品でもあるそう。「決戦川中島 上杉謙信の巻」は安吾謙信と檀一雄信玄による川中島を追体験する誌上企画モノの安吾編。出色は晩年の朝鮮出兵や秀長切腹に関する秀吉の独白「狂人遺書」と怒涛の日本キリシタン殉教史「イノチガケ」。しかしながら、なぜこの4編?で、半藤氏による巻末インタビュー読んだら、氏の編纂で読んでみたかった。2021/08/20
sansirou
3
これはなかなか面白かった。安吾の歴史小説は初めてだったけど、戦国物も、キリシタン物も、読み応えがあったよ。2021/02/11
タケ
1
道三、謙信、秀吉、キリシタンの話。狂人遺書は小西の頑張りがすごくて驚いた(笑)。ラストがすごい皮肉だと思った。「イノチガケ」はひたすら殉教殉教でちょっと気が滅入る2010/05/31
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