内容説明
第25回ボイルドエッグズ新人賞受賞、衝撃のミステリー!
正義感の強い秀才×美麗の変人、ふたりの高校生探偵が驚愕の事件に挑む!
舞台は鎌倉にある名門・冬汪高校。
同高二年の滝蓮司は、眉目秀麗だが変人の卯月麗一とともに、生徒や教師から依頼を受け、思ってもみない方法で解決を図る学内便利屋として活動している。その名も「たこ糸研究会」。会長は蓮司、副会長は麗一。取り壊しの決まっている古い校舎の一角が、ふたりの部室にして事務所だった。
ある日蓮司は、道を歩けばスカウトが群がり学内にはファンクラブすら存在する超絶美少女、藤宮美耶という同級生から、ある依頼を受ける。
その依頼とは――。
蓮司と麗一が依頼を引き受けたがゆえ、惨劇の幕は開く!
舞台は、鎌倉に佇む白亜の豪邸。ふたりは特異な家族にまつわる、おぞましい事件の真相をひもといてゆく。
新進気鋭の著者が放つ、渾身のミステリー!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
244
第25回ボイルドエッグズ新人賞(こんな賞があるとは知らなかった)受賞作ということで読みました。当初爽やかな青春ミステリ的な雰囲気だったので、タイトルとミスマッチかなと思いましたが、読了して納得、リーダビリティに優れたミステリでした。次回作にも期待です。 https://www.shodensha.co.jp/dollhouse/2023/04/21
麦ちゃんの下僕
166
全国有数の進学校「冬汪高校」で、事実上“学内便利屋”として活動している「たこ糸研究会」の滝蓮司&卯月麗一が、美貌の姉・美耶と頭脳明晰な妹・沙耶という双子の藤宮姉妹が抱える“闇”に挑む青春ミステリー。タイトルから“クローズドサークルでの血みどろの連続殺人”をイメージしてしまうと拍子抜けしてしまいますが(苦笑)…姉妹の母親の“毒親ぶり”や事件の真相のおぞましさは、確かに“惨劇”と呼べるレベルかも!? ただ小説=文学作品として楽しむには、まだ遠坂さんの“筆力”は発展途上で何だか惜しいなぁ~と感じました。2023/06/22
とん大西
134
お~巧い。蓮司と麗一の学園探偵コンビ。クラスメートの藤宮姉妹のココロの病巣となっていた毒親の存在。病巣が拡散されだした時、ついに事件は白日のもとにさらされた。ん~展開よし、まとまりよし、おさまりよし。あざとく仄めかしていたタイトル回収も、終盤で更に深掘りされる。それは更に闇深く。いやぁ、面白く読めました。続編ある?追いかけたい作家さんが1人増えました。2023/06/03
yukaring
114
これは確かに『ドールハウスの惨劇』としか言いようがない物語。最後に明かされるおぞましい真実と狂った登場人物たちの中で、主人公の男子高校生2人の爽やかさと健全さが一服の清涼剤。真面目で正義感の強い蓮司と容姿端麗だが変わり者の麗一は2人で"たこ糸研究会"という部活の傍ら、生徒達の悩みを解決する便利屋を営む。学内で有名な美少女・美耶とその妹で学年一の成績を誇る沙耶が相談に現れ、蓮司たちはおぞましい事件へと巻き込まれていく。狂気に満ちた人物のエグい言動や姉妹の壮絶な運命に心が痛むが、希望が見えるラストに救われた。2023/02/11
美紀ちゃん
110
毒親。ひどすぎる毒親。 事件がおきるまでが長く、どうなって行くのかと思ったが、家で起きたあの事件から一気読み。犯人は当然あの双子の!と思っていたが、いい意味で裏切られて面白かった。 想像以上の重い展開になり、びっくりした。 伏線回収もとても良かった。お見事。 タイトルの意味がわかる。なるほど納得。 大学生になってからまた再会できたらいいなぁと思った。 第25回ボイルドエッグズ新人賞。 デビュー作とのこと。 完成度が高く、次回作にも期待したい。2023/05/03