中公文庫<br> 小沼丹推理短篇集 古い画の家

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中公文庫
小沼丹推理短篇集 古い画の家

  • 著者名:小沼丹【著】
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 中央公論新社(2022/12発売)
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  • ISBN:9784122072695

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内容説明

「これは古い池だから、いろんなものが沈んでるだろうな」――江戸川乱歩の慫慂を受け「宝石」に発表した表題作他、私小説の名手が活動初期に書き継いだ、スリルとユーモアとペーソス溢れる物語の数々。巻末に単行本・全集未収録の推理掌篇、および代表作〝大寺さんもの〟幻の第0作「花束」を収録。文庫オリジナル。〈解説〉三上延

【目次】
古い画の家
手紙の男
クレオパトラの涙
ミチザネ東京に行く
二人の男
奇妙な監視人
赤と黒と白
王様
リャン王の明察
(附録 単行本・全集未収録作品)
海辺の墓地
花束

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

buchipanda3

109
戦後間もない50年代に文壇デビューした作家の短篇集。著者は初期の頃はミステリも執筆していたらしく、乱歩に依頼された作品も収録されている。タイプとしては「日常の謎」だろうか。殺人も起こるが、そちらよりもむしろその奇妙な設定と軽妙な文章を存分に楽しめた。怪しい人物をライオンとかニボシとか称して煙に巻くユーモアにも程よく脱力させられていい感じ。それでいて巧みな構成で先へ先へと読ませる。「リャン王の明察」は寓話的で見事な収束。「花束」はミステリではないが、その醸し出す空気感に不思議と惹かれる作品だった。2022/11/09

aoringo

83
60年前に発表された小沼丹初期の作品を集めた一冊。スリルとユーモアとペーソスに溢れるとあったが、様々な趣向のミステリーが楽しめる短編集。描かれた時代のせいか、どこか長閑で懐かしさを感じさせる。この作風は今の作家さんには出せないものなので新鮮な気持ちで楽しめました。2024/01/05

HANA

70
小沼丹による推理小説集。よく著者はユーモアとペーソスの作家と言われるが、本書を読んでその意味をよく理解できた。どの作品も面白うてやがて哀しき、という表現がぴったりなのである。少年時代の思い出にある事件を描いた表題作や三者三様の三つ巴の「赤と黒と白」、どことなく寓話のような童話のような「王様」や「リャン王の明察」も面白く明るいながら、どこか陰翳めいたものが感じられる。もちろんミステリとしての面白さや物語の面白さは健在ながら。この独特の読み心地は癖になりそうなので、しばらく著者の作品を追ってみたく感じた。2023/06/13

藤月はな(灯れ松明の火)

70
初めましての作家さん。朴訥とした喋りの中に軽快なリズムがあり、殆どが片仮名で記される登場人物たちは匿名性を持ちながらも誰かに見出してしまうような不思議さを湛えている。表題作は不気味さから一転して爽やかな出会いに誤魔化されそうになるも、センパイの言葉から「見たものが本当だったら・・・」と思い返し、再び、戦慄するという構成が秀逸だ。「ミチザネ東京にいく」の初心なミチザネ氏のとぼけ感、「奇妙な監視人」は立場の逆転にほっこり。王様は名探偵(王様の代わりに仕事をしないといけない家臣は困惑)な「王様」も味わい深い。2023/01/04

ばう

54
★★★『黒いハンカチ』を読んで以来気になる作家さんの小沼丹。彼の推理短編集に附篇2つ。この作品集に載せられているどの作品も趣が異なっていて全く飽きることなくどの話も楽しめました。1950〜60年代の話だからか、ミステリなのにどこか長閑な雰囲気があって好き。表題作は勿論面白かったけれど「ミチザネ東京に行く」もどこかユーモラスで印象深かったです。附篇2に「大寺さんもの」があって嬉しい。これは“0作目”との事。プロトタイプというだけあって『黒と白の猫』とよく似た内容で、両作品の違いを探して楽しめました。2024/03/23

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