内容説明
「近代」において女は何を期待されたのか。近代国家を構成する国民の一員としてどのような形でとらえられ、国家へと統合されていったのか。大きな枠組みに立ち、歴史的概念としての「良妻賢母」が登場してきた意味やその思想を変化させる要因、その思想内容を検討し、規範としての良妻賢母思想の変遷を明らかにした名著の新装改訂版。
目次
新装改訂版への序文
はしがき
序──問題視角
第一章 良妻賢母思想の成立
一 江戸期女訓書にみる女性観
二 明治啓蒙期の賢母論
三 良妻賢母思想の登場
第二章 良妻賢母思想と公教育体制
一 家庭教育論の登場
二 家庭教育と公教育体制
第三章 転換をもたらすもの
一 「婦人問題」の登場
二 第一次世界大戦の衝撃
第四章 良妻賢母思想の再編
一 女子教育の改善
二 新しい良妻賢母像
三 高等女学校令改正へ
第五章 修身教科書にみる良妻賢母像の変遷
一 明治四四(一九一一)年まで
二 明治四四(一九一一)年から大正九(一九二〇)年まで
三 大正九(一九二〇)年から昭和七(一九三二)年まで
最後に──良妻賢母思想とは何だったのか
あとがき
文 献
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Olive
13
一言で明確に言うなら、良妻賢母思想とは「決められた枠組の中で一国民として女が認知され国家に統合された思想」という事が出来るだろう。 筆者は、これが国体観念や家制度などと結びついた考えとすることに疑問を投げかける。何故なら女は今でも良妻賢母が期待される状況にあるからだ。この疑問を考察・検証する内容となっている。そして、良妻賢母像は時代と共に1:江戸まで、2:明治啓蒙期、3:戦後と大別し3段階にその意味が変化しているところが興味深い。 ジェンダー順位下位国家が支える思想とは、に答える素晴らしい本だ。2023/03/09
安藤 未空
3
「良妻賢母」。21世紀の4半期が過ぎた今もなお、多くの女性が内面化している規範の一つではないだろうか。そのような「良妻賢母という規範」について、その誕生以前の江戸後期から準戦時体制に入る昭和初期まで、女子教育論や修身の教科書などを丹念に見ることを通じて、社会情勢も踏まえつつ、その誕生の過程と具体的に想定されていた女性像について丁寧に描き出していた。 明治期に萌芽した「良妻賢母という規範」は、今、変わるべきときに来ていると思う。私たち、責任世代は、今後、どのような「規範」を描くべきだろうか。考えさせられた。2025/02/13
Go Extreme
2
問題視角 良妻賢母思想の成立: 江戸期女訓書にみる女性観 明治啓蒙期の賢母論 良妻賢母思想の登場 良妻賢母思想と公教育体制: 家庭教育論の登場 家庭教育と公教育体制 転換をもたらすもの: 「婦人問題」の登場 第一次世界大戦の衝撃 良妻賢母思想の再編: 女子教育の改善 新しい良妻賢母像 高等女学校令改正へ 修身教科書にみる良妻賢母像の変遷: 明治四四(1911)年まで 大正九(1920)年まで 大正九(1920)年から昭和七(1932)年まで 良妻賢母思想とは何だったのか2022/07/14
-
- 電子書籍
- 婚約破棄された目隠れ令嬢は白金の竜王に…
-
- 電子書籍
- つばめゴンドリエーレ【単話】(7) F…
-
- 電子書籍
- お母さんが知らない伸びる子の意外な行動
-
- 電子書籍
- 【分冊版】花鈴のマウンド 9巻(4)
-
- 電子書籍
- 家出熟女 分冊版 12