内容説明
1871年の「解放令」発布から現代にいたるまで、人々の意識に内面化された被差別部落の差別構造をていねいに解き明かす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
OjohmbonX
4
明治以降の被差別部落の差別の歴史を概観すると、差別解消が一直線で進んでいったわけでは全く無いことがわかる。政府や自治体は、税収増や国際社会へのアピールに有効なら差別の解消を進めるし、人々の差別感情を利用した方が統治に有利なら差別を増長させる。差別解消を目的とした団体の方向性も、その時々の政府の方針と、それに呼応した世間の感情とも無縁ではなく、一枚岩ではいられない歴史があった。2024/05/05
knuuyy
2
とても面白い。私は差別についても部落問題についても無知で、驚きの連続。トランスジェンダーへのバッシングを機に差別とはなにかを考えはじめたが、部落史のなかに、LGBT差別と似た部分をみつけ身近に感じる。同情融和は理解増進に似ているように思うし、企業の損得で差別をやめたのもダイバーシティ政策に通じるし、差別者に迎合する当事者、差別などないとするマジョリティ、神政連事件など。部落問題は偉大な先輩だと感じた。日本での差別問題のありかたを知るうえで、部落の歴史を学ぶ必要性を感じている。2023/03/21
belier
1
題名通りの教科書的な近代部落史。当初、人種が違うとされたというのは驚きだった。その後の流れは融和・解放をめぐりかなり複雑。戦時体制になったときは、総力戦ということで国民一体、部落の人たちも同じ国民ということになった。だが差別は残り、差別される側は解消を訴えにくくなるという皮肉が生じる。戦後から現在までの歩みでも明るい状況は描かれない。その中で印象的だったのは中上健次が言及されたこと。中上はこの問題に向き合って創作した作家だが、読者は中上の「路地」と部落差別をどれほど重ねて読んだかと問題提起している。2026/07/11
Kaname Funakoshi
1
明治以降の被差別部落の戦いの歴史。主に穢多(ATOK辞書に入ってないわ)についてで、公権力に取り込まれた非人(こっちは入ってる)については範囲外。種が違うという説、穢れているから穢れているという理解、「融和」。関東にいると気づきにくいけどいまだに残っているのか2026/04/04
Rosie
0
被差別部落を忌避する人は何を根拠に嫌悪しているのかずっと謎だったけど、これを読んで差別の根拠はまさに「あやふやで曖昧」なもの、ということかもしれないと思った 法律上の身分はなくなったとて、なんとなく「他者」にし続けたい、一緒になりたくない人たちがどうにかこうにか理由をつけて区別(という建前の差別)をし続けてきたということかな、と 時系列順で学べてわかりやすかった でも自分がまだどこか他人事として捉えてる感じがあるから、自分が差別に加担しうる可能性とかについても考えながら勉強していきたい2025/08/28
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