内容説明
ドイツ犯罪小説最優秀作品シリーズ、初邦訳!
名門フンボルト大学の法学部を出ながら、破産寸前の法律事務所を共同経営する弁護士ヨアヒム・フェルナウ。
ある日、ヨアヒムが窃盗の罪で弁護を担当したホームレスの若者が、裁判所の前で老女に銃撃される。ホームレスはとっさに逃げるが、老女はその場で発作を起こして倒れてしまう。
老女はマルガレーテという名で、ポーランド国境の小さな町ゲルリッツから巡礼にやって来たメンバーの一人だった。だがホームレスとは面識がなく、なぜ彼女が彼を撃ったのかはわからなかった。
ヨアヒムは老女に頼まれゲルリッツの家へ行き、机の引き出しに入った葉巻の箱と着替えを持ち帰ろうとする。と、そのとき、電話が鳴った。
泊まるつもりでいたヨアヒムは電話の男に誘われるまま食事に出かけるが、家に戻ると葉巻の箱が消えていた‥‥。
やがて、東西ドイツ統一直後のゲルリッツでの出来事、ヨアヒムを連れ出した男の存在、過去の悲劇的な交通事故など、多くの事柄と老女の銃撃の繋がりが見えてくる。
ドイツで770万人が視聴した超人気ドラマの原作にして、エリザベート・ヘルマン作品の初邦訳!
ミステリとして、人間ドラマとして非常に巧く構成された傑作である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
goro@80.7
44
目には目を歯には歯を。終わることのないテーマだろうな。罪と罰はイコールにはならないから生まれる悲劇のなか貧乏弁護士ヨアヒムは巻き込まれてゆく。シリーズ3作目が初邦訳ということでマリーとの関係性など1作目からならもっと入り込めたのではないかと思う。ドイツにはこのレストラン?パブ?が実在するって知って驚いた。それにしてもザロメは鉄の女だな。2023/11/28
み
24
翻訳の一作目なのに、シリーズ三作目とは…。イケイケなとこから読みたかったかも。そして、あの女史の魅力が分からず、お話しの筋は目新しくないけど楽しみました。シリーズ翻訳されるかな?2023/05/21
アプネア
14
ご多分に漏れず、シリーズの途中から翻訳される事になった(3作目らしい)。率直な感想として、まあ〜長い。ドイツ東西統一後のひずみや、「最終法廷」(実際にあるレストラン)のメニューなど、歴史を感じさせる細部は、なるほど、と思える部分もあれば、物語のテンポを損なう、無駄な肉付けと思える部分もあり。一概に良かったとは言えなかった。特に引っかかった点として、ヨアヒムがザロメに一方的に惹かれるところだ。嘘つかれても、誤魔化されても、ほっとかれても盲信的になる様には、読んでてずっと、なんで?とイライラさせられた。2023/04/23
一柳すず子
4
そもそもフェルナウに箱持ってきてって頼まなければ事件にはならなかったのかな。ザロメは無事ではいられなそうだ。シリーズ訳されるなら読むけど訳だか原文だかマークヴァートはジャガーと時計を交換してまたジャガー買ったってこと?とか些細なとこで引っかかる。2023/05/20
かりめろ
3
表紙をめくってまず「主な登場人物」の多さに面食らったままなかなか読み進まなかったけれど、伏線が回収されていとく終盤はページを繰る手に勢いがついた。 ベルリンが舞台なので社会的な興味はあるし、もう一度読んだら面白さがもっとわかりそうだとは思う。でもこのボリュームだからなぁ。著者が脚本も書いたというドラマを見てみたい。2023/03/01