内容説明
睡眠障害(ナルコレプシー)のせいで失業した蝶野は、極秘人体実験「プロジェクト・インソムニア」の被験者となる。極小チップを脳内に埋め込み、夢を90日間共有する――。願望を自在に具現化できる理想郷(ユメトピア)は、ある悪意の出現によって恐怖と猜疑に満ちた悪夢へと一変する。次々と消えてゆく被験者たち、はたして連続殺人鬼の正体は――。驚愕の真相に涙が落ちる。最注目の新鋭作家による、大満足の長編ミステリー。(解説・千街晶之)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タイ子
93
同じ夢を共有できるって面白い。睡眠障害の男・蝶野がある研究の為、脳にチップを入れられ被験者となる。夢に出て来る8人の男女たち。彼らもそれぞれに理由があって被験者となっている。夢の中で繰り広げられるもう一つの世界。夢の中では絶対に死なないと聞いていたのに次々に殺されていく仲間たち。現実と夢とミステリが融合、明かされる真相にこれまたビックリ。面白い作品には違いないのだが、いかんせん私の読書感覚と作品内容が嚙み合わず皆様の絶賛の満足感までには至らず残念。読み手を選びそうな作品。2023/02/24
yukaring
71
「夢の中で死ぬと現実でも死ぬ」という都市伝説。殺人鬼の影が夢と現実を交差するサスペンスフルな特殊設定ミステリ。夢の中をユートピアにする『プロジェクト・インソムニア』。この極秘実験の被験者たちは脳にチップを埋め込み90日間夢を共有する。始めは夢の世界≪ユメトピア≫を堪能していた彼らだが夢の中で殺人が起こる。騒然とする彼らを嘲笑うように1人また1人と殺される被験者たち。ユートピアは悪夢へと姿を変えていく・・。張り巡らされた伏線とちりばめられた魅力的な謎。すべてがパズルのように組み合わさっていく様は見事だった。2023/03/04
Gemi
37
先日遠出の時に本を持って行くのを忘れるという凡ミス。時間を持て余してBOOKOFFで購入してみたのがこの本。言わずと知れた「#真相をお話します」の結城真一郎さん著。人工的に明晰夢を見るようにし、現実でのことは知らない7人のドリーマーで共有することができる世界、それがユメトピア。その極秘人体実験がタイトルのプロジェクト・インソムニアだった。ユメトピアで人が死ぬことはない、そう聞かされていたのだが次々と消えていく被験者たち。なるほど、色んなヒントや伏線を後から教えてくれる。そしてラストも衝撃を受けた。2024/07/13
うまる
35
デビュー作同様、謎呼ぶ展開で、こんな技術があったら良いなと楽しく読みました。ただ解説にあるような本格の特殊設定ミステリではないです。何でもクリエイト可能だから穴がある気がするし。無敵のワンコに対して、何でも倒せる武器みたいなホコタテ問題とかね。あと、主人公が「」で話してない部分、心理描写に対して相手が返事してる事があって、それが真相のヒントに違いないと思ったのに、何の意味もなかった。ちょっとビックリ。それと、夢の中の人物が、自分が知らない物の名前を言った事が、虚構じゃない証明になるのではと思いました。2023/04/24
さち@毎日に感謝♪
32
「#真相をお話しします」が面白かったので長編を読んでみました。夢の中の事件が現実となり、犯人は誰なのかハラハラしながら読んでました。帯に超絶どんでん返しとありましたが、ちょっと違うかな…と思いました。2023/04/01