角川スニーカー文庫<br> Bullets

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角川スニーカー文庫
Bullets

  • ISBN:9784041132869

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内容説明

都内の高校に通う佐島ルイは学校にも家の中にも漠然とした居心地の悪さを感じていた。心を落ち着かせられるのは真夜中の歩道橋だけ。そこで、同じ学校に転校してきた卯木リョウマと出会う。彼と話している時は不思議と息苦しさが和らいだ。多分彼も同じ息苦しさを感じていたから。「俺はさ、《世界の最深部》を見てみたいんだ」彼が語る言葉はすっとルイの心に入ってくる。このまま二人でいれるなら、灰色のつまんない世界も捨てたもんじゃない、そう思えた。でもそれは、ある日リョウマが拾ってきた拳銃が一変させる。「ねえ、リョウマ。一緒に《世界の最新部》を探しにいこっか」

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

よっち

30
通学する都内の高校や家の中にも漠然とした居心地の悪さを感じていた少女・佐島ルイ。そんな彼女が同じ高校に転校してきた卯木リョウマと出会う青春小説。同じ息苦しさを感じていた彼と一緒にいると、不思議と息苦しさが和らぐルイ。このまま二人でいれるなら、灰色のつまんない世界も捨てたもんじゃない、そう思えた日々を一変させてしまうリョウマが拾ってきたモノ。激変する状況に世界の最深部を探しに行く二人の逃避行、彼女を救うためにリョウマが下した決断、そして淡々と綴られてゆくエピローグの先にあったその結末には救われる思いでした。2022/12/28

真白優樹

10
世界全てに対する居心地の悪さから灰色の日々を過ごしていた少女が、似た者同士な少年と出会い始まる物語。―――深き中心、その中で見つけた色の意味は。 何気なく出会い、気が付けば特別となる中で転がり込んできた銃が日常を壊していく物語であり、世界に追われ振り回されながらも、みっともなくとも藻掻き生きていく、等身大の蒼さが溢れる歌のような物語である。どうやら少しだけ、奇跡はあるらしい。期せずして導かれるように、またつながった二人は幸せになれるのか。きっとその色がある限り大丈夫。 うん、面白かった。2022/12/30

しん∞SHI−N

9
【若さ故の蒼さを抱えて、この拳銃と共に世界から逃げよう】学校にも家庭にも居場所が無い少女が、似たような空虚を抱えた少年と一丁の銃と共に世界の最深部を目指す物語。思春期の時代は物の見方が繊細に見えて、ちょっとした違和感を飲み下す事が出来ず、自らの首を絞めるような息苦しさが伴う。学校にも家庭にも本当の自分を曝け出す事が出来ず、差し迫るような空虚を恐れていたルイ。薄暗い日常に嫌気が差したリョウマ。そんな退屈な世界に風穴を開ける存在となる一丁の銃。それを握り締めて二人だけの逃避行へ。破滅した未来を駆け抜けるのだ。2025/03/27

海星梨

9
KU。うおー海外のティーン向けみたいな文体を日本人作家さんが書いてるの初めて見た。から始まって、印象は悪くなかったけど、どこまでもストーリーが若い通り越して幼くてチープって感じなのが残念。日常に退屈してる中高生のなかにはササる子はいるかも。そういう子の貴重な読書体験になればいーなとは思う。2024/01/06

みやしん

9
最終的にはハッピーエンドっぽくなり悪者(作中最大の被害者)も征伐されて万々歳なんだけど、もっとボニー&クライドな逃避行を期待していた。空虚な家族像や事なかれ学校側など十代もしくはかつて十代だった層狙い撃ちな、思春期にわかった気になれる社会の空気。読了後に原作者に初めて気づき、なるほど本作は80年代角川映画及び、まだ「ライトノベル」なる分野が出来ていなかった時代の同文庫へのアンチテーゼなのかと思いけり。2023/01/06

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