ライトノベル・スタディーズ

個数:1
紙書籍版価格
¥2,200
  • 電子書籍

ライトノベル・スタディーズ

  • 著者名:一柳廣孝/久米依子
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 青弓社(2022/12発売)
  • ポイント 20pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784787292162

ファイル: /

内容説明

アニメ・漫画・映画・文学にも大きな影響を与え続けるライトノベル。ラノベの過去から現在までを押さえたうえで、ジャンルを越境するラノベの可能性やより深い作品読解を大胆に提示する。海外ラノベ事情を紹介するコラムや年表も所収するラノベ研究入門書。

目次

はじめに 一柳廣孝

第1部 ライトノベルの過去と現在

キャラクターの神話――ゼロ年代ライトノベルの可能性 大橋崇行
 1 キャラクター化する一般文芸
 2 東川篤哉『謎解きはディナーのあとで』の表現とキャラクター像
 3 入間人間『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』における「嘘」
 4 キャラクターの神話
 5 「データベース理論」を越えるライトノベル

「ラノベらしさ」と「世界」と「趣向」――ジャンル小説として読むライトノベル 飯倉義之
 1 ラノベ、「享受」と「研究」の溝
 2 「ラノベ論に適さない」ラノベ――日日日『狂乱家族日記』
 3 「世界」と「趣向」と「ラノベ性」
 4 エンタテインメントの常道としての〈世界〉と〈趣向〉の組み合わせ

ライトノベル史再考――『聖エルザクルセイダーズ』に見る黎明期の様相から 山中智省
 1 一九八〇年代後半から九〇年代初頭は《ファンタジーの時代》?
 2 「コンプティーク」発の二作品――『ロードス島戦記』と『聖エルザクルセイダーズ』
 3 物語を要求するキャラクターの存在
 4 アニメノベライズを経由した「キャラ立ちする」モチーフの摂取
 5 ライトノベル史研究のこれから

トラブルとしてのセクシュアリティ――〈男の娘〉表象と少女コミュニティ志向 久米依子
 1 制度内存在としての〈男装の麗人〉
 2 代替少女型の〈男の娘〉の役割
 3 〈男の娘〉とセクシュアルファンタジー
 4 少女コミュニティ志向とミサンドリー(男性嫌悪)

コラム ライトノベルの英語翻訳 平石祐哉/太田 睦
 
第2部 越境するライトノベル
 
再創造されるライトノベル――橋本紡『半分の月がのぼる空』表現論 大島丈志
 1 バージョンとしての『半分の月がのぼる空』――「ライトノベル版」から「一般文芸版」へ
 2 「アニソン」から「演歌」へ――饒舌な語り
 3 近・現代文学作品の引用とその異同

バカとテストと教育論調――教育への抵抗/再生産される教育 山村亮仁
 1 『バカテス』の教育システム
 2 教育への抵抗
 3 再生産される教育

ライトノベルが「子どもの読み物」になるとき――「児童文庫」をめぐって 犬亦保明
 1 「児童文庫」とライトノベルという「ジャンル」
 2 「児童文庫」の変遷
 3 ライトノベルが児童書になるとき

ライトノベルの錬金術――テキストとイラストが織り成すモザイク 佐藤ちひろ
 1 テキストとイラストのモザイク――ライトノベルの基本構成
 2 役者と舞台――涼宮ハルヒの増殖、キノが駆ける世界
 3 フィルタリングされるテキスト――ハーレム化する電波女、箱庭のグリム
 4 変容するテクスト――両輪としてのイラストとテキスト

春来たる死神は幾度もやってくる――桜庭一樹『GOSICK』の復活劇 山口直彦
 1 『GOSICK』がたどった道のり――『GOSICK』の誕生から中断まで
 2 小説版GOSICKの変遷
 3 アニメ化

コラム 韓国のライトノベル受容過程とその特徴 田泰昊

コラム 台湾・中国の軽小説 太田 睦

第3部 ライトノベルを読む

キャラクターとしての都市伝説――『あなたの街の都市伝鬼!』を中心に 一柳廣孝
ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いちろく

17
図書館本。ライトノベルに関する論述本。印象に残ったのは、橋本紡さんの『半分の月がのぼる空』のラノベ版と一般文芸版の比較。笑いの語源化と擬音語が一般文芸版では多く削られているという指摘には納得。個人的に作品の雰囲気はラノベ版の方が好みです。その他では、ライトノベルが児童書になる時、という内容も興味深かった。確かに、昔、平積みされていたライトノベルが児童書のレーベルとして出版されているのを本屋で見かける。 2015/02/21

Takayuki Oohashi

11
日日日の「狂乱家族日記」というラノベを、ブックオフで見かけたことがあり、一体どんな話なんだろう? と思いつつ放置していた所、この本で「『ラノベ論に適さない』ラノベ」として紹介がありました。それによると、大塚英志や東浩紀などが、脱自然主義文学の系譜とか、ポストモダンの文学とかでラノベを評しているが、この本のように金儲け主義のエンタメ小説として、ラノベを読んでもいいのではないか、というような論だったと思います。大塚さんや東さんが好きな僕としては納得できないものもありますが、一理あるとも思いました。2016/01/19

5
好きなラノベの「バカテス」「ハルヒ」「キノ」の話がたくさんあって嬉しかった。男の娘についての話もあるのは驚いた。読んでてとても楽しく、面白い本だった。2021/04/26

りゅりゅ

3
もうちょっと少女小説への言及があるかと思ったのだが、やはり区分けがされていて、ろくろく話題に出てこなかった。狂乱家族日記が読んでみたい。2023/04/05

七虹

3
授業で指定された教科書なので購入。しかし挙げられているラノベは基本的に私の読まないものでちょっとよくわからない…笑 授業聞いてみてもう一回読むかもしれない。でも橋本紡さんのラノベ版と一般のの比較は面白い。2015/04/12

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/6830487
  • ご注意事項