塩素の味

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塩素の味

  • ISBN:9784796871594

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内容説明

フランスBD界がその才能に驚愕した当時28歳の新鋭アーティスト、バスチャン・ヴィヴェス。みずみずしい感性で描く新感覚BD、初邦訳でついに登場!

脊柱側湾症を患い、かかりつけの運動療法師の勧めでプールに通うことになった少年。最初のうちはあまり気のりしない彼だったが、泳ぎの上手な少女を見かけ、彼女と親しくなる。毎週水曜日、プールで逢瀬を楽しむ二人。彼女に惹かれていくにつれ、水泳そのものの魅力にも目覚めてゆく彼だったが……。表題作『塩素の味』の他、男女の他愛無い会話やすれ違いを一貫した「僕」の視点で描く『僕の目の中で』も同時収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みーなんきー

33
すごく不思議な本でした。 説明や解説は、殆どなく、絵だけで表現されている。またその絵が、素晴らしく上手なデッサンで、水の中をすいすいと泳ぐ彼女を描きつつ、彼女に恋心を抱きながら見つめるせつない男の気持ちもよく込められている。構図も色も素晴らしく、読者は水中風景に溶け込んで1人静かに水の中に潜っているような感覚になる。 素晴らしい本なので、是非皆さんにも読んでほしいです。2017/10/17

ぐうぐう

29
脊椎側湾症の青年がリハビリのために通い始めたプールで、とても美しいフォームで泳ぐ女性に魅せられる。毎週水曜日にプールで会う二人は、やがて仲良くなるものの、ある日を境に女性はプールに姿を現さなくなる。シンプルなボーイミーツガールものだが、表題作「塩素の味」には驚くほどの深さがある。と同時に実験精神に貫かれている。セリフは極力削られているものの、プールから顔を出す青年の視線、女性の洗練された泳ぎから、様々な感情が伝わってくる。(つづく)2017/11/06

くろすけ

17
表紙買い。フランス漫画界の新星だって。セリフは極端に少なく、人物の身体の動きを含めた表情と主人公の目に映る光景だけで心象風景を描き出す。漫画というよりデザイン画集として眺めたいほど美しいカットが多い。片思いのぎゅっと絞られるような感覚を、水中の動きを使って見事に伝えてくる。 青系でまとめられた表題作と打って変わって、併録の『僕の目の中で』はパステル調の暖かい色彩で描かれる。オールカラーで、こちらも漫画というより「大人の絵本」の趣。女の子の愛くるしさ、失恋の予感、たまらなく胸に迫る。買ってよかった。2014/01/09

aoneko

13
フランスの作家によるバンデシネ。セリフが少ない分、五感を刺激され、肝心っぽい言葉ほど聞けなかったりするから、好奇心をくすぐられたまま宙ぶらりんの状態にされる。でも、「BDはもともと、読者に積極的な参加を求めている」。人間の動きに味がある。2013/12/13

tom

11
読友さんが教えてくれた本。図書館に注文してみて、初めてマンガということを知る。この本、言葉は少しだけ。そして、画像がとても魅力的。水の中の世界が、なかなかよろしい感じです。水の中で、女の人が主人公に話した言葉は、何だったのかと、想像力が膨らんでくる。ついでに、主人公は、女の人から泳ぎ方を教わるのだけど、これがかなり気になる。特にバタ足の仕方。足を伸ばして、自転車のペダルを踏むようにとのこと。これを知ってから、プールで繰り返し試しているのだけど、今のところ進展なし。2016/11/18

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