ジャパン・ディグニティ

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ジャパン・ディグニティ

  • ISBN:9784863111011

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内容説明

22歳の美也子は津軽塗職人の父と、デイトレーダーをしているオネエの弟との三人暮らし。母は、貧乏暮らしと父の身勝手さに愛想を尽かして出て行った。

美也子はスーパーのレジ係の傍ら、家業である津軽塗を手伝っていたが、元来の内向的な性格と極度の人見知りに加え、クレーマーに苛まれてとうとうスーパーを辞める。しばらくの間、充実した無職ライフを謳歌していたが、やがて、津軽塗の世界に本格的に入ることを決めた。五十回ほども塗りと研ぎを繰り返す津軽塗。一人でこつこつと行う手仕事は美也子の性に合っていて、その毎日に張りを与え始める。

父のもとで下積みをしながら、美也子は少しずつ腕を上げていき、弟の勧めで、オランダで開催される工芸品展に打って出ることに。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆみねこ

98
良かった!不器用で人付き合いが苦手な美也子が、父の工房で津軽塗の職人として成長してゆく。武骨な父に愛想を尽かし離婚した母、オカマの弟、隣人の吉田のおばあちゃん。手間のかかる伝統工芸品の良さをしっかり伝えてもらえる作品でした。お勧めです。2017/06/04

はつばあば

71
世知辛い世の中での滞在日数が長いと、ウットオシイごちゃごちゃにうんざり。本にまで女の嫉妬やイジメ(-_-;)。そんな時読み友さんのお陰で出会えた高森さん。不器用に人生を生きる女性への賛歌。いつもは文庫しか購入しませんがこの方のは単行本で。購入の価値は十分有り。ただ・・「関西弁が苦手な方もいらっしゃるなんて思いもつかない」という関西人の傲慢さをちょっと反省せねばと。津軽弁・・少し読み辛いですが、地方での産業を応援したいと思わせる父娘の物語です。漆塗りの弁当箱、娘に購入したいな。2017/06/16

よんよん

68
何をしてもうまくいかない、津軽塗の塗師屋の娘、みやこが父親の漆塗り職人を継いだ。ただただ実直に漆に合わせて気の遠くなる工程をこなしていく。ジャパン・ディグニティ、日本の伝統工芸品には日本の風土、暮らし、文化が染み込んでいる。手間暇のかかる暮らしを楽しみ生きる事、見つけていきたいものだ。心が揺さぶられる、目頭が熱くなる小説だった。2016/11/14

ぶんこ

63
自分に自信の無い美也子が、父の仕事の津軽の漆塗りに打ち込んでいくに従い、スッキリはっきりしていくのが爽快でした。漆塗りは大事に丁寧に扱わなければいけない、すぐに壊れる繊細な品と思い込んでいたので、目からウロコです。特に杖は、自分が使っていて、とにかく軽い物へと買い換えた経験があるだけに、何回も漆を塗り替えていくと重くなるのではと思ったり、勿体無くて使えないとか、中々購入という気持ちにはいかないので、生活の糧にと考えると厳しい世界と納得。津軽弁は難しかったですが、語尾に「ぴょん」と付くのが可愛い。2017/07/07

ヒデミン@もも

59
高森美由紀さん、初読み。素直に良かった。面白かったし、泣けた、泣けた。お仕事小説かと思ったけど、それだけではなかった。少し発達障害ぽい主人公美也子「頑張っても得られるものより失うものの方が多かった。。。。頑張らない方が幸せだった。」そんな、ネガティブな生き方が、マイペースだけどポジティブな生き方に変わっていく。まぁ後半少し出来過ぎ感はあるが、それも許せる。弟をはじめ、出会う人達のキャラも好き。2021/04/29

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