内容説明
「20世紀最後の巨人」の脱神話化を試みる決定版
世界を牽引した指導者、「最後の偉大なフランス人」シャルル・ドゴール。彼は巧みな戦略家であり、ひとつの政策に固執する反面、融通無碍な政治家でもあった。派手さを嫌う性格でありながら、ショーマンシップも発揮した。悲観と楽観のあいだを揺れ動き、自信を喪失したかと思うと、自己をフランスと一体化させ、君主であるかのように振る舞った。人びとの心にほとんど宗教的な崇敬の念を吹きこんだ。国民の統一を希求したが、その手法や政策はフランス社会に分断と対立を生み、ドゴールが憎悪の対象ともなった。
従来のドゴール伝が礼賛か批判かに偏りがちだったのに対して、本書は時代ごとの世界情勢や政治的状況、経済的環境のなかにドゴールを位置づけ、著作、書翰、発言、さまざまな同時代人の証言、新公開されたフランス国立文書館収蔵のドゴール文書など膨大な資料を駆使して、その全体像を中立かつ客観的な視点から記述する。さらに本書の大きな魅力は、資料の綿密な分析に基づいて、「人間ドゴール」の複雑な性格を浮びあがらせている点にある。英国の世界的権威による、ドゴールを主役にした「20世紀フランス史」。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
BLACK無糖好き
22
フランス人の世論調査で同国の歴史上最も重要な人物にドゴールをあげた人が一番多い(2番目がナポレオン)とのこと。上巻では、その生い立ちから大戦後に国の舵取りに奮闘する(1946年)までが描かれる。傍若無人にも程があるだろうというくらい傲慢な振る舞いが目立つ。とりわけロンドン時代の、自分に餌をあたえる手を噛むのも厭わない様は強烈だ。だからこそチャーチルとドゴールの関係は非常に興味深いものがある。フランスの権利に関するものについては一切妥協しない徹底した行動哲学。下巻ではさらなる真骨頂が見られるか。2023/03/03
TK39
6
ド・ゴールの生い立ちから第二次世界大戦後まで。ペタン元帥との関係、亡命先であるロンドンでのチャーチルとの関係など自らをフランスそのものと考え、フランスの国益、自分のためには一切妥協をしない傲慢な態度を貫く。戦後のフランスの立場を守ると言う意味では正しかったのかもしれない。元々、ベトナム、アルジェリア独立の事を知りたく読み始めたので、いよいよ下巻へ。2025/02/19
大森黃馨
5
この書を図書館にて借りて読み進めたのだか一冊¥8000でそれが上下巻では自分の財力ではとても購入は出来無かった私は図書館の有難みを如実に覚えまた感謝の意に絶えない この書にて書かれている時期の仏の歴史や人物私にはどうにかすると我が国日本の戦前期の軍閥やら太平洋戦争最末期の政治や軍の動き更には架空戦記的に敗戦を迎えなかった日本の満州等のその後の関係や動き流れといったものに重なって見える仏の歴史の日本の歴史に相似形を感じるのだ (漫画『ジパング』にて描かれなかった戦後の歴史や政界の内実はもしかしたら(続く)2022/09/01
junkoda
3
お高いだけにそれなりの量がある。それでもシャルル・ドゴールのどこが優れていたのかということになると(例えばジローに比べて)良くわからない。フランスの利益のためにチャーチルやローズベルトと喧嘩するところが愉快で国民が熱狂するのもわかるけど、それだけではうまくいかないはず。現実を理解し未来を読むことに長けていたことが示唆されるけど、それがどう権力を得ることにつながったのかよくわからない。謎の魅力があるのでもっと知りたい。2023/03/22
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