内容説明
石渡宗介、45歳。妻・由美子と小学生の一人娘・佳奈と三人暮らし。
平凡ながら幸せだった家庭は一夜で崩壊した。留守番中の佳奈が行方不明になったのだ。
4日後、娘は無残な死体で見つかった。全身に無数の噛み傷が残る異常な殺害状況だった……。
平凡なサラリーマンが遭遇する悲劇。凄絶な復讐ロードノベル。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
YH
3
再読。木之本さんの人形コレクションを見てみたい。初読時も思ったが、やっぱり復讐の手段が滅多打ちに相手を殴り殺すところや石渡が犯人探しの最中に暴力に目覚めていくあたりの描写は納得いかない。2020/12/05
しかっち
2
「負の紋章」改題。 復讐…。難しいテーマですよね。 小説とかでは、最近結構復讐を思いとどまるのをよく見かける気がしますが、これはそんことはなかったです。 正しい正しくないかはともかく、私の心情はこちらに近いのかもしれない、なんて思ったりもしました。 かといって、主人公に全面的に共感できるかというと、古い固定観念など、あまり好きになれない部分もあったかな。 迷ったりすることろは、人間らしいとは思いますけど。 2011/06/06
とも
1
復讐の物語。とてもきつい話なのに、なんだか軽く読める。なかなか現実離れしているけど、ラストはこれで良かったと思う。2022/01/23
Shishu_ya改め刺繍屋
1
人と人の不思議な繋がりは、伊坂幸太郎さんの“ゴールデンスランバー”を思い出しました。“信念”を感じさせる作家さんだと思います。2012/02/01
長島芳明
0
「凶気の桜」の秋葉原バージョンのような感じがする。オタク文化やオタク層はけして表舞台に立つことはないのだが、「クール・ジャパン」みたいので持てはやされ、恥じらいもなく自身の趣味を露呈させることへの苛立ちや嫌悪感から来ているかもしれない。著者自身、イラストレーターの経験から、日陰者だったはずのものが時代や価値観の変化によって光を浴びたが「自惚れるなよ」との警告かもしれない。やや長めに感じるのは、著者自身も明確な答えが出てこない迷いの反映かもしれない。2013/11/14