内容説明
最高のパフォーマンスと勝利は、食べなくては獲得できない。大相撲の親方、新日本プロレスの逸材、箱根駅伝常勝チームの寮母、サッカー日本代表の料理人、東京五輪でメダルをもたらした栄養士らにインタビューし、筋トレや体脂肪、腸内環境などのメカニズムを探る。誰もが有し、このふたつなしでは生きられないものに肉迫する唯一無二のルポルタージュ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
110
明日は今年最初のフルマラソン。トップアスリートだけでなく、スポーツ栄養士へのインタビューを中心に直距離走に参考になる知識を得ることができた。年齢と共に、髪は薄くなり、骨は脆くなり、シワも増えるが、筋肉は裏切らない。身体づくりの三原則は運動・栄養・休息であり、筋肉は年齢にかかわらず成長する。多くの科学的な研究により「筋トレにはメンタルヘルスを向上させる働きがある」と実証されている。ただ筋肉を増強させるだけでなく、身体感受性を高める必要がある。スポーツの現場でアスリートの発する身体の声はどれも奥深い。2023/03/04
きょちょ
20
辛口だよん。膝を悪くして、四半世紀ぶりに筋トレ・プールに通いだして約3年。筋肉量は体重の60%になり成果が出ているが、体重は2キロ増えてしまった。体重減らすのに参考になるかと思い購入したが、脂肪の話はほとんどタニタの計測器の話、陸上の新谷に関してはほとんど彼女のキャラの話、プロテインか青汁かの話は、どっちが良いのかあるいはそれぞれどのように効果があるのかと期待したが、青汁はあるプロレスラーが良く飲んでますって話だけ(笑)、ええ加減にせえよ!筋肉量増やして10キロ痩せたいけど、酒やめれないしなあ。✖✖✖2023/03/21
Eric
16
スポーツ選手の栄養管理がいかに合理的かを実感する一冊。最前線のアスリート、そして栄養士たちが語る言葉の説得力。「食事も練習のうち」。相撲とプロレスのディープな世界から入るものの、食事を戦略として組み込むことは日常生活にも通ずるように感じる。食事選びや栄養学に対する見方も一新される。2025/07/27
itchie
11
「スポーツをすることは、私にとって、少しずつ自分に落胆してゆくことを意味していた」と語る平松さんによる、まさに文化系のための筋トレ論であり、スポーツ論。ぜひ『文化系のための野球入門』と一緒に読んでほしい。「働いていると本が読めない」と言われる一方で、筋トレにハマる人は増えている。冷ややかに見ることもできるけど、スポーツをする場も時間もないビジネスパーソンが自分の身体と向き合える数少ない方法が筋トレ(あとサウナ)なのかもしれない。「やがて手段を超え、自分を支える存在になってゆく。これが筋トレの本質です」。2025/05/31
kuukazoo
11
相撲部屋のちゃんこから高機能サプリメントまで、スポーツにおける食の重要性を、アスリートや指導者、栄養士などへのインタビューを通して描き出していく。もう食と健康をないがしろにしていては良い結果どころかアスリートの人生を損なってしまうという認識が根付くことを願いたい。とはいえ結果を出すという目標のもと行う食事管理には「そこまでやるのか」とも思う。駒大の大八木監督の奥様の大らかさや、食を完璧にコントロールすること以上に美味しく楽しんで食べてもらうことが大事という栄養士の方の言葉に安堵を覚えた。2023/06/13