おやじはニーチェ―認知症の父と過ごした436日―

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おやじはニーチェ―認知症の父と過ごした436日―

  • 著者名:高橋秀実【著】
  • 価格 ¥1,815(本体¥1,650)
  • 新潮社(2023/01発売)
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  • ポイント 400pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784104738076

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内容説明

突然怒り、取り繕い、身近なことを忘れる。変わっていく認知症の父に、60男は戸惑うが、周囲の人の助けも借りて、新しい環境に向き合っていく。結局、おやじはおやじなんだ。時に父と笑い合いながら、亡くなるまでの日々を過ごす。「健忘があるから、幸福も希望もあるのだ」という哲学者ニーチェの至言に背中を押されながら。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

146
認知症のお父様と過ごした一年余りが綴られる。頻発する問題行動に翻弄される中で、正常な認知機能を失ったお父様の言葉や行動が、人間や哲学の本質に関わる深い問題を投げかけていることに気付く。「ある」と「ない」の存在論、「もの」や「こと」の認識論、経験と記憶の関係、時間とは何か、我と汝……アリストテレス、ニーチェ、ヘーゲル、サルトル、ブーバー、西田幾多郎など数多くの哲学者の言葉を思い浮かべながらの介護の日々が、ユーモアたっぷりに語られる。深い思索とともに愛情深く父親に寄り添う著者に、胸が熱くなる。いい本だと思う。2023/04/23

まこみや

73
認知症は病名ではなく、認知障害による症状群とされる。では正常な認知とは何か。かくして筆者は父とのやりとりを通じて、言葉の吟味から始めるのである。それはやや誇張して言えばウィトゲンシュタインの『哲学探究』のように、言葉の使用法を巡る考察となる。そして最終的に筆者の思索は次の二点に収斂していく。一つは人格の同一性の問題であり、もう一つは意志と行為における因果律の転倒した認識の問題である。認知症の介護は突きつめると、人を哲学に誘うらしい。いやはや私自身のこととしても身に詰まされる読書体験だった。2023/12/07

gtn

36
アルツハイマー性認知症になった父の介護記。一見、意味不明なセリフや行動を、哲学者の言葉に紐付け、すべて理由があると捉える著者。やや牽強付会だが、これは正しいと思ったことが一つ。認知症は単身では生活困難という定義に照らし、著者自らこそ認知症だと悟ったこと。私も、洗濯機の操作方法を知らず、ごみの分別も正確に把握していない。妻に介護してもらっている現状を申し訳なく思う。2024/05/31

99trough99

27
哲学者が自分の父親を介護しながら、認知症について考えるプロセスを、若干のユーモア(妻からのつっこみに「絶句した」だの「ひるんだ」だの、あるいはやはり妻から「存在とか言ってる場合じゃないでしょ」と元も子もないツッコミに膝を打つなど)を交えつつ、形而上学的考察が展開されている書。あとがきで粛々と振り返る下りが本書をもっともよくまとめている、つまり「認知症は病気ではなく、人間関係における次元のずれ」ということ。 妻の栄美さんへ「あなたのおかげで父も母もしあわせでした」との感謝の言葉にほっこりした。2023/11/16

くさてる

26
認知症になった父を介護することになった著者の戸惑いを描いたノンフィクション、と紹介したなら、間違いではないけれどそれだけじゃないということになってしまう。認知症という現象を真摯に考え、けれどユーモラスで、リアルで(認知症の人の描写がほんとうにうまい)、考えさせられる。認知症の介護を知りたい、という人が手に取ったら最初は目を白黒させるかもしれないけれど、読み進むうちに目が開くものがあるんじゃないか。そこはさすがの著者の味。おすすめです。2023/04/06

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