内容説明
肺の分岐構造と樹木の形状が似ているのも、動物たちが多種多様な姿かたちをしているのも、ただの偶然の産物ではない。さらには集積回路の放熱板も、河川の流れも、世に見られる階層制も交通網も、富の流れも文化の伝播もメディアの構造も――生物・無生物を問わず、すべてはより良く流れるかたちに進化する。
これが〈コンストラクタル法則〉で、物理法則の第一原理だ。
「変化する自由がなければ、
デザインも進化も、
したがって未来も、何もない」
新たな物理法則〈コンストラクタル法則〉を世に問うて衝撃を与えた前作『流れとかたち』『流れといのち』に続く三部作の完結編。2018年に米国版ノーベル賞とも言われるベンジャミン・フランクリン・メダルを受賞したエイドリアン・ベジャンが、諸領域で適用されるコンストラクタル法則の理論的背景を解説しながら、〈自由〉と〈進化〉をキーワードに、未来に資する科学のあり方を説く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りょうみや
19
ベジャン氏のコンストラクタル本3部作3冊目。完結編になるらしい。前2作と重複は多いがそれでもワクワクしながら読める。「自由」を測定可能な物理の概念として捉えるところが凄い。変化できるポテンシャルということになるだろうか。自由がなければ変化=進化できないし生きていると言えない。階層制(不平等)やイノベーションも物理の観点から理解することができる。巨視的な、すなわち我々の生活目線の物理学でもまだ発展途上だということを実感できたシリーズだった。もっと深く理解しておきたい。2024/09/21
Haruki
7
3部作の第3作では、コンストラクタル法則を俯瞰して構造の特徴を階層性として示すことを試みる。平面/立体の制約内での移動物体の法則による最適構造の形成(例:肺の酸素/二酸化炭素の出入りの気管の分岐)等、物理や生物に留まらず人間や社会でも同様の構造がみられることから、流れについてより流れ易く、アクセスしやすいよう"自由に進化"という表現になる。熱力学的には熱伝達にはエントロピー伝達が伴い、これが不可逆性の難易の尺度になる。階層性は最適量に対する移動の次元縮約の際に発現か。人は二足歩行前に水生を経た説は新鮮。2025/04/13
mft
5
「流れとかたち」「流れといのち」とこの「自由と進化」で三部作だそうである。自由の価値に主張の力点があるのがこれまでの流れを中心とした語り口と違う点(いやそうでもないか)。少し前作から時間が空いたので、「流れとかたち」から味わい直すのも良いかもしれない2023/02/03
好奇心の横断歩道を渡る!
2
三部作の完結編らしい。面白かった。自由という言葉一つとっても、非常に抽象的な意味で使っている印象だった(リバタリアンの言う自由よりも、物理学でいう自由度に近いと思う。リベラリズムのいう自由とは違う。)。今まで見たことのない切り口が多かった。内容については態度保留。若干、感情的というか、思想色が強いのかな?三部作の一部と二部を読んで、そのあとで再読するかもしれない。2023/02/17
げんさん
0
数式の出てくる本は難しい2023/04/18
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