内容説明
「記憶にございません」「お答えは控えさせていただく」「遺憾に思う」「誤解を招いたとすれば……」「ご指摘はあたらない」等々、国会や記者会見で政治家や官僚たちが繰り出す、まったく説得力のない答弁や謝罪。近年の「ご飯論法」にも顕著な「話のすり替え」答弁――これら「何も言っていないのに、何か言ったように思わせる」「何がなんでも非を認めない」言葉を繰り返し聞かされて国民は無力感すら覚えているだろう。しかしそれこそが相手の狙いなのだとしたら? やはり、誠意のない答弁には「それはおかしい」と声を上げ続けるしかないはず。
本書では、こうした説明義務を放棄したかのような答弁を「国会話法」と名付け、そこに潜むさまざまな「ごまかし」「論点ずらし」「物事の曖昧化」テクニックを、構文解析図で可視化、徹底的に検証していく。
権力者たちが駆使する「誠意のない言葉」「怪しいレトリック」に対するリテラシーを高め、有権者としての政治への意識を研ぎ澄ますことのできる一冊。
巻末に収録した「架空国会中継」では国会答弁の見どころ・ツッコミどころの楽しみ方も解説、ニュースや国会中継に接するのが100倍楽しくなる!
目次
はじめに~いつか見た再放送
第一章 国会話法の構文解析
1 逃げ道用意型 「記憶にございません」~キング・オブ・ごまかし
2 謝罪偽装型「遺憾である」~はたして謝っているのか?
3 とすれば型「誤解を招いたとすればお詫び申し上げたい」~「事実」を「仮定」に
4 門前払い型1「批判はあたらない」~拒絶のトライアングル
5 門前払い型2「仮定の話にはお答えできない」~それでは未来は語れない
6 門前払い型3「詳細は承知していない」~承知しなさい!
7 勝手に控える型「お答えを差し控えさせていただく」~控えなくてよい
8 あたり前型「丁寧に説明していきたい」~何も言わない、しない
9 ポエム型 理屈がないとポエムになる
第二章 国会周辺話法の構文解析
1 あたり前型(マスメディア編)「あってはならないこと」~前から危惧していた……のか?
2 希釈・還元型「大半はちゃんとしている」~そしてチャラにする
3 私はわかっている型「選びたい人がいない」~何もしない理由がほしい
4 錯覚型「政治を持ち込むな」~食い合わせとの共通点
5 批判封じ込め型「野党は批判ばかり」~批判は悪いことなのか?
6 悪口冷笑型「マスゴミ」~冷笑することで自分を守る
第三章 煙に巻くテクニック
1 物量作戦~大声で何度も言う
2 虫眼鏡作戦~小さな文字でびっしり書く
3 隠密作戦~目立たない所にそっと出しておく
4 粘着質作戦~しつこくいやがられることが大事
5 悪文作戦~悪文には意味がある
6 難解作戦~カタカナとSDI略語
7 権威作戦~引用と煩雑
8 続・粘着質作戦~うんざりされても気にしない
9 ジャーゴン作戦~排他性と解説役
10 あと出し作戦~訂正は目立たずに
巻末付録 ショーアップ国会中継
おわりに~「国会話法」を捕まえろ!
感想・レビュー
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名言紹介屋ぼんぷ
田中寛一
みじんこ
みき☆
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