筑摩選書<br> 人類精神史 ──宗教・資本主義・Google

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筑摩選書
人類精神史 ──宗教・資本主義・Google

  • 著者名:山田仁史【著者】
  • 価格 ¥1,815(本体¥1,650)
  • 筑摩書房(2022/12発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480017611

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内容説明

Gott(神)、Geld(お金)、Google(情報)という3つの「カミ」(3G)と、対応する3つのリアリティ(3R)。本書はこのフレームをもとに、狩猟採集民の時代から情報化社会の現代にいたるまで、人類の精神のあゆみを考える。そうすることで、人類精神史を貫く原理や転換点が見え、未来へ向かうための座標を獲得することができるだろう。危機の時代に生きる人びとに向けた、博覧強記の宗教民族学者による最後の書。

目次

第1章 三現実史観/三つのリアリティ/R1とR2を分けるもの/R2とR3を分けるもの/3Rと3G/R3の神=Google/「進化」より「棲み分け」/第2章 二種類の宗教/日本は宗教的か無宗教か/ミュンヘンでの体験/脱退して考えたこと/宗教の心理面と社会面/辞書での定義/宗教研究における定義の試み/コンテンツとメディアとしての宗教/一元論の問題/宗教と倫理/先へ進むための図式として/第3章 四つのイズム/カレル橋の上で/四つのイズム/フェティッシュからフェチまで/憑依・脱魂するシャマン/個人・集団トーテミズム/アニミズム概念の発明/「トーテミズムの終焉」?/デスコラと「存在論的転回」/ファースから学ぶ/四つのイズムでとらえる/第4章 動物からヒトへ/宇宙のはじまりから/死を悼む動物たち?/想像力と共感力/「今、ここ、私」を越えて/人類の進化と「心」/宗教はよいものか、悪いものか?/エアグリッフェンハイト/表出から応用へ/心とらわれるヒト/神話と儀礼/第5章 狩猟採集民の世界観/「ものすごい喜び」/芸術のはじまり/〈動物の主〉とトリックスター/無文字社会の記憶術/超自然的制裁/大型動物だけなのか/東南アジアの〈カミナリ観念複合〉/アフリカのカマキリ観念/セミとカマキリと口笛と/第6章 定住化と自己家畜化/お年玉とアイスマン/「新石器革命」?/逃げられない社会/複雑な狩猟採集民/中間的な諸形態/自己家畜化とは/食料生産の功罪/文化的〈退行〉、感染症、そして人新世/第7章 農母性と牧父性/楽園からの追放/巡回空間と放射空間/ニャンコポンの神話/忘れられた二人の学者/牧畜民をどう位置づけるか/多元的発生論へ/「元始、女性は太陽であった」/血へのエアグリッフェン/おしゃれは女性のものか/生業の展開と二つの原理/第8章 ユーラシア大陸と〈軸の時代〉/直感的な風土論/ヤスパースの人類史像/バベルの塔はあったか/〈軸の時代〉とその背景/牧父性と天の神/モンゴルでの観察から/再評価と中央ユーラシア/思索の深まり/ゾロアスター教からユダヤ教へ/唯一神教の誕生/アーリアとセム、ヘレニズムとヘブライズム/仏教、そしてユーラシアの基層/第9章 日本語とコミタートゥス/カミ観念の古層/ふわっとしたアニミズムでなく/実存がゆらぐ時/日本語の相対的自己表現/コミタートゥス、東西へ/騎馬文化と武士道/「日本人」という表現/第10章 未来へ進んでゆくために/カモシカとユクスキュル/イリュージョンとしての世界/シャボン玉と間主観/ジーンとミーム/機械に心を宿せるか/かかわるとかかわるとか/四つの欲求/四欲求から敷衍して/コロナ禍をへて/近代的な知の再考へ/R3の拡大による影響/未来へ/あとがき(未完)/解説 時空を超えて山田仁史が伝えたかったこと 角南聡一郎/引用・参考文献/索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

けんとまん1007

44
今の自分の生活の在り方、ものの考え方にも通じる歴史。その延長線上に、今の自分があると思いながら読んだ。狩猟生活・農耕生活、縄文・弥生、文明というものの歴史や文化も、ここに書かれている視点で考えると、新しいものが見えてくる。思い・もの(お金)・情報という3つの視点で考えることは、今を、そしてこれからを考えるのにヒントになる。2023/04/04

タカナとダイアローグ

18
田村光平氏著書のあとがきに紹介されており、かねてから書店で並んでいた佇まいとタイトルの大胆さ(人類精神史‥!)で読むことに。小粒の研究者になるまいというような気概と、余命がないことを自覚しているのかという縦横無尽な領域を山田先生ならではの環世界で記述したものと受け取った。宗教の構造図解、イズムの図解等、大胆。知的好奇心を刺激、もっと知りたいと思う。2024/02/13

kanaoka 58

6
執筆中、若くして逝去されたとの事、大変残念です。 それもあり、全体的な纏まりの悪さを感じるのですが、各章の内容は、それぞれが大変興味深いものです。特に狩猟採集民の世界観、定住化、自己家畜化、農母性・牧父性、騎馬民族の交流と軸の時代は、学ぶ事が多くありました。 人類精神史というタイトルは、本書の内容を表すのに、的を射たものと思います。2023/02/13

y

2
本書執筆中に著者が逝去されたとのことで、読後感はややまとまりのない感じでした。 が、自分のちっぽけな頭で日頃ぼんやり考えていたことが言語化されているようで、うんうんと頷きながら読みました。 著者が逝去されなければ、本書の内容をまとめ上げるような新たな視点が提示されたのかも、と思うととても残念です。 宗教の整理はとてもわかりやすかったです。2023/12/14

kana0202

2
見取り図がわかりやすく、宗教を考えるときに参考の軸となりそう。コミタートゥスのところが案外おもろい。2023/02/24

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