情報を正しく選択するための認知バイアス事典 行動経済学・統計学・情報学 編

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情報を正しく選択するための認知バイアス事典 行動経済学・統計学・情報学 編

  • ISBN:9784866802107

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内容説明

■「行動経済学」「統計学」「情報学」の3つの研究分野からアプローチ。

合計60の認知バイアスを解説します。
なぜか人間に実装されている脳のバグとも言うべき「認知バイアス」。
本書では、「行動経済学」「統計学」「情報学」の3つの研究分野からアプローチし、
計60の認知バイアスを豊富な図版とイラストを用いて解説します。

「認知バイアス」という言葉自体、難しく感じるかもしれませんが、
実は以下のような場面において私たちの日常へ小さくない影響を与えています。

●合理的に決断していたのに、期待とは逆の結果になってしまう。
●いつもなら絶対にしないようなギャンブルに魅力を感じてしまう。
●ついつい無駄遣いをしてしまい、なかなか貯蓄できない。
●上司のちゃぶ台返しに右往左往させられている。

個人のことだけではありません。
カルト・陰謀論・詐欺・差別・分断・誹謗中傷……などの諸問題、そして世の中のわけのわからない判断やミスリードは、
本書に記されている60のバイアスのどれか、あるいはその組み合わせによって生まれていると言っても過言ではありません。
認知バイアス対策は、まずはどんな認知バイアスがあるかを知ること。
その手助けをするのが本書の役割です。

■思っているほど、あなたは賢くないし、あなた以外は愚かじゃない。

本書で解説されているいくつかの認知バイアスによると、人は自分の能力を過大評価し、
他人の評価を過小評価する傾向が強いことがわかっています。

つまり、「自分は騙されない」「正しく世の中を見ている」と自信がある人は、
自分が騙されたり、間違っている可能性があることに、もっと自覚的になるべきということです。

一方、「マスゴミの偏向報道に騙されるな」「子どもの教育に良くない」と心配するまでもなく、
ほとんどの人は理性的に情報を受け取っていると考えられます。

今、こうした前提を顧みない独善的な言説が目立っていないでしょうか。
社会を正しく見るためにも、私たちは自分や他人へはもちろん、
情報や知に対する謙虚さを取り戻すべきなのでしょう。
そのことを、きっと本書の60の認知バイアスが私たちに教えてくれます。

■目次
監修者まえがき ―「認知バイアス」を理解して「騙し」に打ち勝つ!
・第Ⅰ部 認知バイアスへの行動経済学的アプローチ
01 アンカリング/02 サンクコストの誤謬/03 メンタルアカウンティング/04 自信過剰/
05 ピア効果/06 後知恵バイアス/07 現在バイアス/08 損失回避性/
など
・第Ⅱ部 認知バイアスへの統計学的アプローチ
01 平均による誤謬/02 アンスコムの数値例/03 棒グラフの誤用/04 折れ線グラフの誤用/
05 3Dグラフの誤用/06 絵グラフの誤用/07 標本の偏り/08 自己選択バイアス/
09 健康労働者効果/
など

第Ⅲ部 認知バイアスへの情報学的アプローチ
01 利用可能性ヒューリスティック/02 生存者バイアス/03 限定合理性/04 ウーズル効果/
05 グーグル効果/06 第三者効果/07 敵対的メディア認知/08 意地悪世界症候群/
09 どこでも効果/
など

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

よっち

31
なぜか人間に実装されている脳のバグとも言うべき認知バイアス。「行動経済学」「統計学」「情報学」の3つの研究分野からアプローチして合計60の認知バイアスを解説した一冊。個人の日常へ小さくない影響を与えるだけでなく、カルト・陰謀論・詐欺・差別・分断・誹謗中傷などの諸問題、そしてその組み合わせが世の中のわけのわからない判断やミスリードにも繋がっていて、どうしてそういう発想にいたるのか、どのように対策すればいいのかを教えてくれていましたが、読んでいて人間の脳は本当に楽をしたがるんだな…としみじみ思いました(苦笑)2023/01/18

更紗蝦

28
「論理学」「認知科学」「社会心理学」からアプローチされていた前作は、日常のコミュニケーションにありがちな理不尽なレスポンス(モラハラ、クソリプ、クソバイスなど)に関わる内容でしたが、こちらは「行動経済学」「統計学」「情報学」からアプローチされており、損得に関わる内容です。コマーシャリズムに流される程度なら消費行動を左右されるくらいで済みますが(それも充分困りますが)、事故や病気や公害などの統計を見誤ると健康被害を引き起こすことに繋がるので、「命の問題」と言っても過言ではありません。2023/03/11

姉勤

27
これはヤバい。そこらのベストセラー啓発本(あまり読んでないが)より効く。正しさを追求することが人間の誤謬を招く、思考の陥穽。社会は詐術と都合の良い誤解でできていると言っても過言ではない。最近は、エコーチェンバーなる単語がよく聞くようになったが、耳目が届く範囲を森羅万象と思い込む人間の癖をカサブタを剥がすように教えてくれる。テレビ新聞などのメディア情報は、眉に唾して見るのは久しいが、より狡猾な兵法には、同じ虎の巻を熟知してないと太刀打ちできない。2024/05/04

ロクシェ

23
評価【○】『認知バイアス事典(緑の本)』の姉妹本。続編となる今作は、「認知バイアス(偏見や先入観)」を行動経済学・統計学・情報学という3つのアプローチから20項目ずつ紹介。教科書的だった前作(緑の本)よりもいくらかはっちゃけた文章で読みやすかった。一番印象に残ったのは「グル効果」で、これは「人は自分が理解していないものには、それがどんな分野であろうと常に感銘を受ける傾向がある」というもの。何かの選択を迫られたとき、すぐに誰かの意見を参考にし、インフルエンサーの影響を受けやすい現代人は特に注意が必要だろう。2023/02/20

ホシ

19
2021年に発刊された『認知バイアス事典』の続編。行動経済学・統計学・情報学の観点から認知バイアスを解説します。前作が良くて買ったったw認知バイアスを知ると如何に人間が愚かで、滑稽で、単純な生き物であるかを思い知らされます(だから人間は美しいとも言えるんでしょうけどね)。前作や本書を読んだからといってバイアスから逃れることはできません。しかし、何か計画を立てる時・高額な物を買う時・加入や回答をする時・新聞やニュースの情報に触れる時などに陥りやすいバイアスをチェックする上で有用だと思います。2023/01/30

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