内容説明
女たるもの、したたかでなくては。
元バリキャリ・現小説家志望のアリスは不満だった。夫に伴い渋々引越した古い屋敷は、相当な手入れが必要な物件だったのだ。いざ掃除すると、古い料理本や1950年代の雑誌など、前の女主人ネリーの暮らしていた痕跡が見つかった。
庭と植物を愛する、良妻の鑑であったはずのネリーには、どうやら深い秘密がありそうで…。
ニューヨーク郊外の屋敷を舞台に、時代を超えたシスターフッドを描く。
北米ベストセラー・エンタテインメント小説!
【著者プロフィール】
カーマ・ブラウン(Karma Brown)
カナダのオンタリオ州生まれ。ジャーナリスト、作家。ウエスタン・オンタリオ大学で心理学と英語を専攻し、その後ビジネスコンサルティング会社のマーケティング部門で働きながら、ライアソン大学大学院でジャーナリズムを学ぶ。
のちに小説やノンフィクションを執筆するようになり、本書は小説5作目にあたる。
現在はトロント郊外で夫、娘、犬と暮らしている。
【訳者プロフィール】
加藤洋子(かとう・ようこ)
文芸翻訳家。ハンナ・ケント『凍える墓』、デレク・B・ミラー『白夜の爺スナイパー』『砂漠の空から冷凍チキン』(以上集英社文庫)、クリスティン・ハナ『ナイチンゲール(上・下)』(小学館文庫)、ケイト・クイン『戦場のアリス』『亡国のハントレス』『ローズ・コード』(以上ハーパーBOOKS)など訳書多数。
【原題】
Recipe for a Perfect Wife
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
39
うわあ。明るい表紙とはえらい違いの中身です。不幸の系譜のようなドロドロした感じで、レシピまでもがどこか不穏です。「普通の男は…」という文ににやりとしつつ、この作家は自分よりできる女と結婚し、その才能を食いつぶす男については思いはいかなかったのかな、と。2023/03/11
こばまり
38
文字通りスパイスが効いている。読み終えて眺めればまた、表紙も雄弁に物語っているではないか。エキセントリックな主人公アリスの配役に悩むが映画化すれば「フライド・グリーン・トマト」や「イン・ハー・シューズ」的名作になるやも。訳は全幅の信頼を置く加藤洋子氏。2024/02/09
星落秋風五丈原
23
図書館に返却しにいったら表紙のしみみたいなのを汚したと受け取られてちょっと、む。デザインだもん!2023/02/06
なにょう
20
面白い題材だけれども、読むのに時間がかかった。夫婦の話。昔は女性は抑圧されてて、今は……。昔の時代のネリーは配偶者選びを誤った。夫のリチャードは世間体を気にしてばかりの卑劣な男だった。現代のアリスはネイトと郊外に越してきた。時代の異なる2人の物語が交互に進行する。★アリスが好きになれなかった。夫婦の間に秘密がないわけないけど。アリスはちょっと嘘が多くてわがままで。性差別、ジェンダーがテーマなんだろけど、やっぱり性別関係なく誠実さが大事だと思った。2024/01/07
スイ
17
真相に意外性はないのだけど、構成が面白く、隣家の二代女性との関係も良かった。 しかし致し方ないところもあるとはいえ、あれを盾にしちゃうのはな…。2023/01/18