内容説明
愛妻を亡くし、ケンブリッジの図書館を定年退職したばかりのわたしに届いた、不思議な猫についてのメール。なぜか人の言葉をしゃべるその猫は、死ぬたびに生き返る数奇な半生を送ってきたらしい。おまけに猫の飼い主は行方不明になっていて――。本を愛し、へらず口をたたき、永遠の命を生きる猫。その周囲で起こる不可解な事件。メールに綴られた出来事は現実か、創作か。わたしは好奇心をくすぐられて調査に乗り出すが、その先には意外な展開が待ち受けていた。元・図書館司書と謎に包まれた猫が織りなす、ブラックで奇妙で、なのに心躍る物語。/解説=金原瑞人
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sin
70
日本では猫が二十年生きると“猫又”になると云われるが海外の猫は“猫に九生あり”として死から生き永らえる度に不死に近づくようだが、この残酷さ!これはもう化け猫と云って過言ではない。物語は元司書に依って綴られていくが、彼がその途中に出会った博士とのやりとりにやきもきさせられるようにEメールのフォルダの読み取りから、博士との会話、メールでのやり取り、対決の時の成り行き任せ…読み手の自分もその進行具合に真綿で首を絞めるようなもどかしさを感じてしまう。猫好きには魅力的なタイトルだが中身はと云えば外した感は否めない。2023/02/24
Yuri
15
本屋さんでジャケ買い🐈⬛死なないネコと不思議な縁で出会ってしまうのは、定年退職後の元司書。構成が複雑でなかなか物語に入り込むのが難しかったです。ブラックで奇妙と言う帯の説明は私にはそんなに感じられず。2023/07/09
駒
4
図書館や書店が舞台の作品が好きなので期待して読んだけど、私にはわけわかめでした。なんか入り込めなかった。難しい。2023/05/29
蝸牛
3
#読了 #読書好きな人と繋がりたい 推しのイラストレーター(@INFINITYDinnov1 )さんが表紙を担当した、ということで購入した本。 猫に九生あり、とか猫は魔女の使い魔だ、とかそういう迷信が基になったストーリー。ちょっとホラーでちょっとミステリーで、ゾクッとしながら楽しい本でした。続編翻訳求む。2023/02/06
SOLVEIG
2
ファンタジーでホラーでミステリーでノワールで等々、全てのジャンルを含んでると読む度に感じる村上春樹作品と似た印象が――話の中身は違う(でもない……のか?)けど。 最初は物語がよく見えなかった。第2章に入ってやっと話が動き出した気がした。で、いつの間にやら最終章に!?面白くなかった訳ではないけれど、イマイチ消化不良感は否めない。そもそも『魔王』や『猫マスター』は何のためのどういう存在なのか?その辺りが気になってしようがない。表題の「図書館司書」候補は複数いて誰かがわかるのは最後?原題の方がしっくりくるなと。2024/12/19