内容説明
1000年以上、誰も読むことができなかった古代エジプトの謎の文字“ヒエログリフ”。ナポレオンのエジプト遠征でそれが刻まれた黒い石板“ロゼッタストーン”が発見され、イギリスとフランスのふたりの天才学者がその解読に乗り出したとき、国の威信をかけた究極の解読レースの幕が上がった。性格も思考方法も正反対のライバルは、“神々の文字”とも呼ばれた謎の言語に、どのように挑んだのか? アメリカ探偵作家クラブ賞受賞作家が、壮大な解読劇を新たな視点から、スリリングかつリーダビリティ溢れる筆致で描く、傑作ノンフィクション!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さつき
79
ヒエログリフ解読のもととなったロゼッタストーンの発見の経緯から書き起こされ、ナポレオンのエジプト遠征やその後の敗戦によりイギリスが戦利品として持ち帰った顛末など詳述されていて興味深い。解読に挑み成功したシャンポリオンの名前は知っていても、もう一人の天才ヤングのことは全く知らなかった。対照的な二人のエピソードには思わず笑ってしまうものもありました。また、肝心のヒエログリフに音を表す文字や決定詞がある、母音は省かれるなど知識0の私にも分かりやすく説明されていて面白かったです。2023/05/04
サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥
44
(2023-96)【図書館本】古代エジプトの石碑ロゼッタストーンとそこに記されたヒエログリフ。その古代文字の解析に挑戦したヤングとシャンポリオンという二人の学者。考古学者か言語学者かと思ったらヤングがあの物理学者のヤングと知って驚いた。確かに暗号解析は数学だよなぁ。表意文字と表音文字が組み合わされたヒエログリフの解析は困難を極めたが、漢字、ひらがな、カタカナが合わさった日本語も5,000年後に日本語が消滅して解読することになったらかなり難易度が高いのでないだろうか?読み応えあり面白かったです。★★★★2023/08/29
鮫島英一
32
ナポレオンのエジプト遠征から始まるこの物語は、ある意味ノンフィクション作品である。452年のフィレ島の碑文を最後に使用されなくなったヒエログリフは、以降1400年ほど解読することができなかった。美し故に単純な文字と認識することを本能的に拒絶させるが、ヤングとシャンポリオンは見事復活させてくれた。この偉業を非常に分かりやすく描いている良作なのだが、途中から解読方法を説明するのに英語を用いている。致し方ないのだけど僕みたいに英語とが苦手な人は、面白さが今ひとつ伝わらない。まあこれは僕自身の問題なのだけど。2023/06/17
星落秋風五丈原
30
エジプト騎兵隊には勝ったが、有名なイギリスのネルソン提督に負け、ナポレオンは本国に帰還した。かっこいい事を言った割には、軍隊を残して一人逃亡したわけで、ナポレオンがあまり公言したくない汚点である。エジプト遠征の際、ナポレオンは多くの学者を伴っていた。その学者の一人が、1799年7月にアレクサンドリア近郊の砂漠の中からロゼッタ=ストーンを発見した。ところがフランス軍がイギリス軍に降伏したため、イギリス軍の手に渡り、現在の居場所大英博物館に落ち着いたわけだ。2024/11/05
yyrn
28
碑文の中に何度も登場する楕円で囲まれた「カルトゥーシュ」の中に王の名前プトレマイオスとクレオパトラが読めたところから解読が動き出ず話は面白かったが、そこに至るまでの時代背景(なぜナポレオンがエジプトを目指したか、失われた言語を解読するのはエニグマを解くのとは全く訳が違うという)説明も分かるが、本題の解読に入るまで1/3(110頁)も使っている。また、フランス人シャンポリオンとイギリス人ヤングによる20年に及ぶ解読競争という惹句が示すように、人物に焦点を当てた部分と困難な解読作業に挑む姿が交互に現れるが、⇒2023/03/12
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