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内容説明
家族、国家、宗教、政治、人生、文学。かつては日常生活に密着していたはずの素朴な言葉を無化し、巨大な虚無へ堕ちていこうとする現代人に救いはあるのか。著者は自らを「保守主義」たらしめた体験の自己解釈を通じて、「歴史と伝統に裏打ちされたルールなしには生きられない」という人間の存在証明に挑む。理性と感情の均衡へのあくなき意志をもって、その思想的枠組みの全容を初めて明らかにした書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイキ
4
「〈ホンネとタテマエ〉という概念区分に頼っていると、自分たちに確かなホンネがあるはずだと自己過信するからである。一度もきちんと表明されたことのないホンネなどが保持されつづけるわけがない。タテマエとして被った近代主義のペルソナ(仮面)はわれわれの顔面から剝がれなくなってしまうと、それはすでに立派なパーソナリティ(人格)になりおおせているのである。ホンネ、それは仮面の姿でしか生きられなくなったわれわれの単なる歎きの声にすぎないのではないか。」(Ⅵ 日本人について)2019/09/09
れんきゅう
1
人間は言葉でできている。言葉は歴史的なものである。故に歴史なくして人間はない。長く続いている伝統や慣習には何がしかの意味があると考え、不合理だからといって性急に否定してはならない。現実の曖昧さ、中途半端さに耐えながら、漸進的な改革を目指すのが保守主義。ということでしょうか。2017/03/05
さきん
1
西部先生の思想がもっともよくわかる内容。私にとってもしっくりとくる指摘の数々であった。例を上げると、現在は、理性や理屈に重きを起きすぎ、歴史や伝統の意味や存在が軽視されているということである。2015/07/04
草生やすな
1
歴史や伝統をむやみに破壊すると、今みたいなことになるんじゃのぉ。2013/04/29