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内容説明
難民少年が見つけた幸せとは?
もうだめだ。
刻一刻とボートは海に沈んでいく。
ひとり、またひとりと、ボートから海に投げ出されて、
まもなく自分の番が来る。
―――海に投げ出された難民少年オマールが、目をさましてみると
そこは、ガリバーが流れついた小人の国リリパット国でした。
リリパット国の住人は、少年をガリバーの息子と思い歓待します。時間が経つにつれ、少年オマールはリリパット国で、友情をはぐくみます。
一方で、オマールは、離ればなれになってしまった家族が恋しく、毎晩、夜空に浮かぶ星を見ながら、お母さんに話しかけていました。
少年オマールは、このままリリパット国で、平和に暮らすことができるのでしょうか?
お母さんとは再会できるのでしょうか・・・。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
80
児童書。新ガリバー旅行記。アフガニスタンに住む少年オマールは戦争に巻き込まれ、難民としてイギリスを目指すボートに乗り込む。船が難破し、小人の国「リリパット国」に流れ着いたオマールは、ガリバーの息子アウザットと呼ばれる。300年前にガリバーが伝えたという英語を習い、平和で友好的なリリパットでアウザットはたくさんのことを学ぶ。過去の戦争や、リリパットの対岸にあるブレフスキュ国の問題を聞きアウザットは自分の役割を知る▽“べつべつの世界のように思えるかもしれないけれど、そうじゃない。みんな同じ世界に生きている”2023/03/12
とよぽん
61
マイケル・モーパーゴの新境地を見た思いがした。『ガリバー旅行記』を下敷きにして、現代のグローバル化した社会問題(難民、紛争、独裁など)を克服しようとする少年たち。ガリバーのむすことは、よく思いついたものだ。小中学生に読んでほしい冒険譚でもある。2023/02/25
ヒラP@ehon.gohon
30
遭難して海に投げ出された難民の少年が、小人の国に漂着して、ガリバーの息子と呼ばれるようになりました。 現代社会の中で、ガリバー旅行記を描こうとしていますが、パロディではなく、リメイクでもなく、少年を主人公としたエンタメの面白い作品だと思いました。 物語中に出てくる「ガリバー旅行記」の、2つの国の対立の発端には違和感があるのですが、戦争の火種は瑣末なことでしかないという、モーパーゴなりの平和志向から来ているのでしょうか。 今起きている戦争に対する痛烈なアイロニーとして受取りました。 2023/02/14
小太郎
29
あの「戦火の馬」のマイケル・モーパーゴなので読んでみました。アフガニスタン難民の少年が主人公。叔父のいるイギリスへ向かう途中でボートのお金が払えず母と生き別れになってしまいます。途中で嵐に遭い流れ着いた島は、なんと小人の島でした。ガリバー旅行記をモチーフにして、戦争という問題を現代的な寓話として子供向けに書いてあるのは分かるんだけど今一つしっくりこないのは、若干説教臭いのと全てが予定調和的に上手く行き過ぎるところ。子供向けだからしょうがないとは逃げて欲しくないと感じました。★22023/03/04
ほんわか・かめ
22
ガリバー旅行記を下敷きに、300年後のリリパット国(小人の国)が舞台にした物語。巨人として流れ着き、ガリバーの息子だとして歓迎される少年。しかしその少年はアフガニスタンから戦火を逃れイギリスに向かう途中で遭難したのだった。家族への思いや安住の地を離れる不安、揺れ動く少年の葛藤。かつてのガリバーが残していった教えがモーパーゴの反戦メッセージなのだろう。モーパーゴお得意の時代が絡み合った物語は相変わらず良かった。ポップな表紙も手に取りやすい。2025/07/13




