内容説明
東京湾に面する遠浅の海岸。友人二人をひきつれて重いテントをはり、焚き火にあたりながら三人で毛布にくるまって夜を過ごした――。著者の初めてのテント体験から今日までの “テント人生”をふりかえる『わが天幕焚き火人生』。表題作のほか、1983年のパタゴニアへの旅のマゼラン海峡航行の様子を描いた紀行文『マゼラン海峡航海記』など、単行本未収録のエッセイを多数収載。
シーナワールド全開の一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
59
2014年以降の単行本未収録集。得した気分。圧巻は冒頭のマゼラン海峡航海記。こんなにすごい荒海とはねぇ。喜望峰近海もそうらしい。大陸の先端は地理的条件が急変するからでしょうか。中学生シーナ氏のキャンプコト始めもおもしろい。アマゾン(通販ではなく川)・ルンバ・洋食・外国トイレ・映画・TVショッピング(今度こそ通販)などなど。ラストの交通事故顛末記は、最近の高齢者事故ニュースとシンクロします。2019/07/24
りつこ
40
怪しい探検隊シリーズは大好きで読んでいたけど最近あまり読んでなかった椎名誠。年を取ったことは間違いないけど、それでもいまだに中身は仲間とキャンプをして魚を釣って酒を飲むことが好きなおじさんであることに安心する。若いころ、正しくあろうとしていた姿勢はいまも変わらず健全で素敵だ。健康そのものと思っていたけれど長年不眠に悩まされているというのは意外。不眠に関する本も書かれているようなのでそちらも読んでみたい。2019/04/14
Nao Funasoko
30
いつの間にか読むことが無くなっていた椎名誠の新刊を久し振りに手にする。ここ4、5年の間に雑誌などに書かれたエッセイの類を纏めたものだ。時折、自身のことを「じじい」と呼ぶ。まあ、確かにじじいには違いないが、そう自称すればするほど若さに拘っているようにも思えてしまい少しばかりカナシイ気分になってしまうのだ。平成の終わりに読む元祖昭和軽薄体。昭和も遠くなったのでR。2019/03/15
ばんだねいっぺい
26
熟練のアウトドア派も処女航海の初めてのキャンプは、そうなんだよなと新鮮に感じた。異邦人の目で見れたら、ちゃんと目の前のものの価値が分かるとはいうものの、見過ごしているよなと思った。でも、大盤振る舞いで「日本スゴい」っていうのは、ちょっと苦手だな。2019/07/07
naotan
25
高校生の頃、岳物語や怪しい探検隊シリーズを読んでいた私がオバサンなんだから、シーナさんもおじいさんだよねえと当たり前のことを思いながら読んだ。いつまでも心は若々しく、でも事故に気を付けて長生きしてほしい。2019/06/06