内容説明
孤独と自意識に揺れ、もがき、あらゆる決めつけに抗って生きる。
「異端の2.5次元俳優」が“穴”の中から見つめる、その先にあるものとは――?
舞台『刀剣乱舞』(山姥切長義役)など人気作品に多数出演する傍ら、鴻上尚史主宰の「虚構の劇団」に所属し役者としての高い実力と類稀な美貌で注目を集めている俳優・梅津瑞樹。いわゆる“2.5次元俳優”として日本テレビ系『ろくにんよれば町内会』へのレギュラー出演や『バケット』で食レポに挑戦するなど、TVバラエティでも活躍の場を広げている彼による初のコラム連載と書きおろし原稿を収めた随筆集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きたさん
17
推しが何度か共演していることで名前を知り、読書家としてトーハンさんのYouTubeなどでお姿を見ることも多くなった俳優さんのエッセイ+掌編集。彼にはもっと偏屈でいることを期待してしまっているのか、思っていたより読みやすかったことを残念と思う自分がいたことに笑ってしまった。純文学や私小説を好んで読む人は、彼の人となりを知らなくてもきっとこの文章は好きだと思う。個人的には、もう少し長い小説を読んでみたいと思いました。2023/05/14
波多野七月
11
私は、この著者の方を知らない。「読んでほしいと、人に差し出されたから」という理由で手に取った。かろうじて、帯の惹句で「2.5次元の俳優だ」ということがわかるくらいだが、「生きづらそうな方だな」と感じた。尖った感性の持ち主で、かつ内面にあるものを言語化する能力に長けている。一言でいうと自意識を拗らせた方なのだが、同時に「何故、この本を勧められたのだ」という、「自分もまた、自意識を拗らせている人間だ」と浮かんだので考えるのを止めた。読み終えて、この方のSNSを検索している私がいた。シュッとしたイケメンだった。2024/03/23
七海トモマル
9
俳優、梅津瑞樹の随筆集。どんなもんかと思って読みましたら、かなりの書籍を読んでいないと出てこない表現の数々。よくこれだけの表現ができるなと感服いたしました。何を読んだらこんなに書けるようになるのやら。彼を見る目が変わりました。ただの俳優じゃない。2022/12/22
愁
8
唯の俳優では無いな!知ってたけど!ちょっと修飾でゴテゴテしたドラァグ クイーン的な文章で、もう少しストレートな表現があった方が入ってきやすいな〜と個人的には思います。書き下ろしの短編4篇、好きです。2023/04/12
こととこ
5
自身の少年時代を盗んだ個性のパッチワークと評すあたり、自意識と他者の視線の狭間で常に悩んでいるのだろうな…と。かと思えば「四の五の言わずやりたいことをやればいい」と強く言い放ったり。ただ部屋が散らかっているということひとつとっても、言語化が上手く、あるあるなことも殊更重大な問題なように感じられて面白かった。2023/07/13
-
- 電子書籍
- 小説吉本興業 文春文庫