内容説明
毎週金曜,夜開く学校として高い人気を誇るNHKラジオ番組「飛ぶ教室」.その冒頭約3分間のオープニング・エッセイ最初の2年分を収める.コロナが流行り出し,誰もが不安に打ち沈んでいた時期に贈られた,時に切ない,滋味あふれる温かなメッセージ.特別付録として話題作の書き下ろし朗読用ドラマ「さよならラジオ」も初収録!
目次
ラジオ,声,ことば
1年目 前期 十九歳の地図
1年目 後期 世界がひとつになりませんように
2年目 前期 その人のいない場所で
2年目 後期 いつもの道を逆向きに歩く
終わりのことば
特別付録 さよならラジオ
ほんとうの終わり
本書でとりあげられた作品ほか一覧
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
117
NHKラジオ・高橋源一郎の飛ぶ教室は、第0回から毎回欠かさず聞いているヘビーリスナーです。このラジオで紹介してもらった本を何冊も読みました。どれも考えさせられる本ばかり。もちろん、毎回はじまりのことばも聞いていました。本を読むというより、声を思い出すといった方がしっくりくる読書体験は初めてです。昨日も放送を聞きました。はじめのことばにあった、カフカの言う凍り付いた海を砕く斧のような本に出会えるように、これからも放送を聞き続けたいと思います。続編も出たら読むでしょう。小説「さよならラジオ」も良かったです。2022/12/10
ネギっ子gen
78
こんにちは。ネギっ子genです。“夜開く学校”として人気の、NHKラジオ「飛ぶ教室」のオープニング・エッセイ2年分を収録した新書。源ちゃんの、あの喋り声を頭の中で蘇らせつつ読みました。さて……。この「飛ぶ教室」に先行する番組「すっぴん!」。藤井綾子アナの印象が強いが、スペイン語科出身で文学を深く愛する山田隆志さんというディレクターがいらっしゃって、番組が8年間の命を終える直前、事故で亡くなっているのですね……。NHKを辞め、かつて彷徨った南米を再度旅して、新しい人生に踏み出そうとした、その時に不慮の……⇒2023/02/28
けんとまん1007
65
常々、高橋源一郎さんの言葉には、惹かれるものを感じている。淡々とした語り口・文体でありながらも、その奥にあるものを感じ取れるからだろう。飾ることではなく、特別な人のことでもなく、市井の人への目線があるからだと思う。驕り高ぶることへの厳しい目も、そこにある。2023/10/08
ニッポニア
62
Audible。高橋さんは新聞で悩み相談をやっていて、魂を削るような相談者に寄り添った回答が面白く、愛読している。それにも通じるNHKラジオの冒頭の言葉集。作家としてのプライドを持って原稿にし、それを語る。時に意味もなく、時に砕けて、時に真正面から、紡ぎ出される言葉を浴びていたいと感じます。もしかしたら人間として、無条件に尊敬できる人ではないかもしれない。時として自虐的な、褒めたものでないエピソードを語ることもある。何をしたのか、何があったのか、は置いておいて、今、その言葉によって、救われる人がいるんだ。2023/09/28
ケイトKATE
49
私は、毎週金曜日夜放送のラジオ番組『高橋源一郎の飛ぶ教室』を聴くことを楽しみにしている。書籍化された本書は番組冒頭で、高橋源一郎が語る言葉を収録したものである。今回読むと、放送開始から2年間、高橋源一郎は両親のことや作家になる前の自身の思い出を語っていることに気付く。私が記憶に残ってるのが、”子どもはいつも、親ではなく未来を見ているから”という言葉である。親子が分かり合えない理由がストンと入ってきた。どの文章もラジオのリスナーに向けて伝えようとしているものなので、上質なエッセイとしても読める。2022/11/26
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