内容説明
地球に飛来した隕石,彗星の塵,月の石,そして「はやぶさ」が持ち帰った小惑星のかけら…….地球上の鉱物が大地の歴史を伝えるように,「星くず」の中の鉱物には,宇宙や太陽系の過去が刻印されている.その〈記憶〉を丁寧に読み解きながら,星くずたちの壮大な旅路を紹介.「はやぶさ2」とともに,いざ,太陽系大航海時代へ!
目次
1 星くずが語る宇宙
そいつの中の鉱物がかやかや物を云ってるんだね/月の石/彗星の星くず/イトカワの小さな石/鉱物とはなにか/鉱物に残される記憶
2 鉱物の源,元素
お星さん.西の青じろいお星さん/元素の世界は不公平/太陽系の化学組成/錬金術と化学反応/水素とヘリウムをつくる3分間/みんな星の中/星の大爆発/よだかの星は製鉄所?/鉄より重い元素のレシピ/生まれ変わる星たち
3 銀河を旅する鉱物
ぼくはもう,すっかり天の野原に来た/塵が漂っている/塵からのかすかな光/原子の並び方とスペクトル/宇宙鉱物学/星くずをさがす/太陽系をつくった星くず/銀河系と太陽系
4 太陽系のはじまり
さあ,発つぞ.ギイギイギイフウ.ギイギイフウ/分子の雲/縮んで,回って,集まって/名もなき小天体/空から降る石/太陽系最古の鉱物/太陽系のガラス玉/彗星の塵が語り始めた太陽系/イトカワの声に耳を澄ませて/実験室のミニ宇宙
5 十人十色の惑星たち
気層のなかに炭酸瓦斯が増えて来れば暖くなるのですか/地球に最も多く存在する鉱物/地球――5000種を超える鉱物博物館/地球の歴史をさかのぼる/酸素が増える/月――地球の相棒/微量の元素が語るマグマの海/鉱物は語り続ける/火星――赤い惑星/火星も青かった?/青い火星に生命がいた?/水星――鉱物からの伝言/惑星の中身/金星――地表をつつむ厚いヴェール/高温の世界/ベスタとセレス――惑星になれなかった天体/タイタン・エンセラダス――そこに生命はいるか/冥王星――氷の世界
6 「はやぶさ2」が聴く声
あった,あった.すてきだ.実にいい標本だね/いい標本/竜宮城をめざして/宇宙の地質学者/あの石を採る!/僕らはなにを問いかけるのか(1)――分子雲へ,銀河へ/僕らはなにを問いかけるのか(2)――激動の太陽系最初期/僕らはなにを問いかけるのか(3)――竜宮城の歴史/僕らはなにを問いかけるのか(4)――生命材料の進化の場/ひとりじゃない/2020年に向かって
7 星くずの物語はつづく
わたくしはそのとおり書いたまでです/他山の石/もっと遠くへ/銀河から太陽系への物語
おわりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
calaf
学生
ペカソ・チャルマンチャイ
1484h
takao