内容説明
あの日、新宿駅西口には「夢」があった――新宿発展への期待は、「西」にあった。まだ見ぬ副都心への玄関口として西口広場が完成した頃、百貨店もまた、人々の好奇心と期待に応えようとしていた。世界の秘宝、幻想絵画、刺青、プロレス、狂言師――小田急で繰り広げられた夢の展覧会から戦後日本を振り返る。
目次
まえがき 新宿西口いまむかし
第1章 小田急百貨店の開業
1 開業までの道のり
2 開業後の展覧会
第2章 本館開業と文化大催物場
1 西口広場と小田急ビルの完成
2 文化大催物場のはじまり
◎スタートの頃の展覧会
◎博物館のような展覧会
◎マニアのための展覧会
3 60年代後半の都内百貨店
第3章 高度成長と若者の時代に
1 社会・文化の変動とともに
◎異端と狂気
◎幻想と背徳
2 文化大催物場から小田急グランドギャラリーへ
◎異色作家シリーズの挑戦
◎報道から芸術へ
◎子ども向けの展覧会
◎運営の苦心
3 西武美術館の開館
第4章 バブルの時代の文化戦略
1 小田急グランドギャラリーの展覧会
◎百貨店の主体性──斎藤茂吉展
◎ターゲットと違う──わたしたちの弘法大師展
◎子ども向け展覧会場の臨場感──鉄道展
◎ミイラの展示──栄光のインカ帝国展
◎伝統芸能の展覧会──狂言展
◎忘れられた名工──横浜真葛焼 宮川香山展
◎創作の場の再現──光太郎 智恵子の世界展
2 百貨店の美術館
第5章 宴の終わり
1 少ない予算で
◎絵本の展覧会
◎百貨店らしくない美術展
2 百貨店美術館の閉館
第6章 新宿西口考──「夢」の再開発
あとがき
引用・参考文献
関連年表
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たらちゃん
3
今はもう姿を消してしまった新宿西口の小田急百貨店。あるのとないのとでは、街の景色が違い過ぎて愕然とした。その小田急の歴史の一端を紹介する本。2024/12/21
ナツ
2
図版や写真は少な目。 小田急百貨店を中心に百貨店の黎明期の催物場の役割や成り立ちを紹介。2023/02/20
takao
1
ふむ2024/12/23
katashin86
1
戦後その盛りを迎えた日本のデパート文化、そのあだ花のような「展覧会」事業を、著者が所属した小田急百貨店を中心に振り返る一冊。とともに副題の通り、小田急が先頭に立って作ってきた新宿西口の街の来し方行く末に思いをはせる。2022/12/10
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