角川新書<br> 「奥州の竜」 伊達政宗 最後の戦国大名、天下人への野望と忠誠

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角川新書
「奥州の竜」 伊達政宗 最後の戦国大名、天下人への野望と忠誠

  • 著者名:佐藤貴浩【著者】
  • 価格 ¥1,320(本体¥1,200)
  • KADOKAWA(2022/12発売)
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  • ISBN:9784040823713

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内容説明

奥州の名家である伊達家に生まれた政宗は、18歳にして家督を相続。会津に覇を唱えた蘆名氏を滅ぼし、南奥の諸家を従えるも、秀吉の天下統一の前に挫折する。その後、豊臣、徳川に従うが、たびたび謀反の噂が立ち、後半生も平穏ではなかった。膨大に残る政宗の書状から、「野望」と「忠誠」がせめぎ合う、70年の生涯を読み解く。

【目次(予定)】
序章 伊達政宗の書状

第一章 戦国大名・伊達政宗
 一、父と駆け抜けた日々
 二、苦戦する政宗
 三、南奧の覇者誕生
 四、家臣との付き合い

第二章 豊臣大名・伊達政宗
 一、秀吉との出会い
 二、奥羽仕置と「政宗別心」問題
 三、朝鮮出兵と秀吉の死

第三章 近世大名・伊達政宗
 一、関ヶ原合戦
 二、仙台開府と慶長遣欧使節
 三、大坂の陣

第四章 元和偃武の世
 一、家康の死と時代の変化
 二、晩年の政宗

終章 伊達政宗の人となりと死
 一、政宗の趣味と教養
 二、政宗の死

おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みこ

28
伊達政宗の人生を彼の残した多くの書状から追跡する。ちょっとした敬称の変化で秀吉や豊臣家への思いを馳せつつも徳川家の顔色を伺ったり、かつて戦った佐竹や上杉を関ヶ原後は気づかったり、家臣にも気配りをしたり、秀宗への子育てを反省して忠宗の時は注意したり、俺今酔っぱらったままこの手紙書いてるからとそのまま残したり、彼の人間臭さが満載である。筆者は最後まで天下を狙っていた人物像が崩れてしまったと寂しく感じているようだが、私にはやれるだけのことはやったという彼の満足感を感じた。2023/01/06

サケ太

25
非常にまっすぐで、全体像の把握が出来る伊達政宗評伝。最新研究も知ることができて満足。著者の語り口は平易で読みやすい。伊達晴宗の行動については、伊達政宗の方針とは真逆といったイメージがあったので驚いた。だが、その死が二重権力状態を脱させたというのも面白い。豊臣家の家中も完全に統一できていたわけではない家臣の出奔や長男との確執。伊達政宗の秀頼への感情など、当時の大名たちの感情の一端も知ることができる。近世大名伊達政宗が、豊臣や徳川の治世でどのように生きてきたかが分かる。母親との関係性も創作ほど悪くなかった模様2022/12/30

MUNEKAZ

22
伊達政宗の評伝。「ゴリゴリに史料批判、最新研究!」といった内容ではないが、政宗の発給した膨大な書状を紹介することで、戦国大名→豊臣大名→近世大名と時代の流れで変化していく政宗の心性が知れて面白い。また、書状の中で家臣や周囲の人間に対する細やかな気配りが、若年の内からしっかりとしているのも印象的。色々とピンチの時がありながらも、晩年まで家中の結束を維持しえたのはこの辺りが秘訣か。他にも「奥州一の大名」という自負や、上杉や佐竹とは仲良くできても、相馬は絶対認めないというライバル心も興味深いところであった。2022/12/21

nishiyan

16
本人が残した膨大な書状を元に紡いだ伊達政宗の評伝。最新の研究成果を紹介しながら、戦国大名期、豊臣大名期、近世大名期、元和偃武後の晩年期と時代を区切っている点はわかりやすい。筆まめであった政宗が残した書状には特色があり、豊臣体制に組み込まれたことで殿や様など敬称の使い方が変化するなど地方の雄が中央で苦戦する様が想像できるのも面白い。重臣や有力一門の出奔に悩まされ、伊達家代々の問題であった父子相克に最晩年でも気をつけていた点など英雄というよりは苦労人としての一面が強く出ていたのは興味深かった。2022/12/29

さとうしん

15
本人による文書を中心に読み解く政宗の生涯。細かな事実関係よりも、政宗と母保春院や子どもたち、家臣との関係、最上義光ら敵対したライバルにして縁戚たちとの関係の推移、秀吉、家康ら時の権力者をどう見ていたかなど、心情に関わる話の方を面白く読んだ。保春院による政宗の毒殺疑惑についてはまだまだ検討の余地があるようだが。2022/12/20

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