内容説明
イラストレーターをしている滝水浩一は、熊本県の白鳥山を登っていた。白鳥山は立地の不便さゆえに入山者が少なく秘境のイメージがある。滝水の目的は、湿地を抜けた所に咲く山芍薬の花の群生。この光景は一年のうちに数週間しか見ることの出来ない。しかし、今年は登山中に雨に降られた。そのとき、彼の前に現れた、美しい女性・沙穂流。滝水は彼女に惹かれ、置き忘れた手帳を手がかりに訪ねてゆく。そこで、彼女がまだこの世に誕生していない存在であることを知るのだった……。時を超えて出会った男女の恋愛を描く、長編SFファンタジー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひさか
19
2004年10月光文社文庫刊。書き下ろし。本編の加筆修正とシナリオ版、新たなあとがきを追加し、2022年12月徳間文庫刊。数十年の時を超えた男女の出逢いをテーマにした梶尾さんお得意の時間もの。仕掛けは単純で、ありがちだが、二人の想いをストレートに書いてあり好感が持てるストーリー展開だった。報われるラストも良い。2023/01/15
静かな月を見てる
9
時を越えた恋の物語。最近、ロマンティックが足りないのでこういう小説は体にいい。さすがカジシン。 タイムトラベルものにつきものの細かい部分の「なぜ?」に思考を止めないで読み進めれば爽やかな感動にありつける。続けて梶尾作品を読んでしまおうかな。ジャック・フィニィの『愛の手紙』も探してみよう。読み直したくなった。2024/11/04
Masuhiro Harada
6
カジシンは好物で目を通してたはずですが、文庫書下ろしの様で初見です。 時間テーマですがタイムマシンもクロノス・ジョウンターも出てこない。タイムパラドックス的にオーソドックスですしツッコミ所もありますがそれは知でほんわか出来る一作。年を食うに従って男はピュアになっていくものだなあと実感。「加塩」という品のない酒の飲み方をする時間テーマ好きのSF作家が出てくるのは(笑)。 2004年作ですが、2024年10月15日に起きる熊本大震災(死者1万3千)という震災ネタを書いてしまった事、後にどう思われたでしょうか。2023/02/23
ごま
4
久々に梶尾さんの小説を読んだ。タイムトラベルものが好きで、「つばき、時跳び」「黄泉がえり」もよかった。この話も、二人がどうめぐり逢えるのかドキドキしながら読んだ。でも、表紙のイラストがあまりイメージにあっていない気がした。2023/02/19
はれるや
2
白鳥山で出会った彼女は28年後の人。そこから始まる奇跡の連続。文通は未来を救おうとし、過去を変えようとする禁断の試み。時を超えた恋の行方は思いがけないハッピーエンドへ。後日談なんかいらない。恋に落ちて、タイムパラドックスを乗り越えて、成就する願い。ネットを検索すると実在していた。登れるようだ。https://www.yamakei-online.com/yamanavi/yama.php?yama_id=199272023/10/11
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