国商 最後のフィクサー葛西敬之

個数:1
紙書籍版価格
¥1,980
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

国商 最後のフィクサー葛西敬之

  • 著者名:森功【著】
  • 価格 ¥1,815(本体¥1,650)
  • 講談社(2022/12発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1),講談社【冬電書2026】Kinoppy独自企画ノンフィクション本特集(~1/1)
  • ポイント 800pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065241271

ファイル: /

内容説明

日本の政界、財界、霞が関、マスメディア、鉄道業界すべてを騒然とさせる、今年最後にして最大の話題作!
国鉄分割民営化で革マルと手を組み、右派・日本会議の黒幕として安倍晋三を裏で操ったJR東海「総帥」の実像。
日本最大級の広告主ゆえに、これまでテレビ新聞はもちろん、文春砲を含む週刊誌ですら取り上げることができなかった「タブー」の扉がいま開く。

◆本文より
ときに葛西は安倍から内閣の主要閣僚や官僚人事の相談を受け、アドバイスしてきた。
葛西の悲願だった超電導リニアの実現は、安倍政権の経済政策アベノミクスにおける成長戦略の目玉と位置付けられた。
そして葛西と政権との蜜月は、安倍のあとを引き継いで首相に就いた菅義偉にも受け継がれる。
この10年のあいだ、葛西と安倍の二人は日本の中心にいて、国政を動かしてきた。

◆目次(抜粋)
序章 国策づくり
官僚と通じ合い政策を動かす/靖国神社総代と日本会議中央委員という役割
第一章 鉄道人生の原点
「マル生闘争」の末の経営危機/国鉄改革の狙いは国労潰し
第二章 国鉄改革三人組それぞれの闘い
長男・井手への対抗心/瀬島龍三の影/マスコミリークという奇策
第三章 「革マル」松崎明との蜜月時代
井手は信用していなかった/改革三人組の相克/流出した「JR東日本幹部発言メモ」
第四章 動労切り
鉄パイプ全身殴打事件/「葛西、君と闘う」/ばら撒かれた「不倫写真」/頼った警察・検察とのパイプ
第五章 ドル箱「東海道新幹線」の飛躍
新幹線保有機構を解体した「火砕流」/品川駅開業の舞台裏/名古屋の葛西では満足できない
第六章 安倍政権に送り込んだ「官邸官僚」たち
岸田官邸の「葛西人事」/池の平温泉スキー場の「秘密謀議」
第七章 首相官邸と通じたメディア支配
安倍総理実現を目指した「四季の会」/NHKの「国営化」を目論んだ菅義偉
第八章 美しい国づくりを目指した国家観
杉田官房副長官誕生の裏事情/覆された「板野退任」の人事案/経営委員会で何が起きたのか
第九章 リニア新幹線実現への執念
政治問題化したリニア建設計画/安倍政権時代に決まった「3兆円財政投融資」
第十章 「最後の夢」リニア計画に垂れ込める暗雲
JR東海の高飛車な態度に地元住民が激怒/リニアが国民にもたらすメリットは何か?
第十一章 覚悟の死
リニア計画の「コペ転」/「リニア研究会」という名の利権
終章 国益とビジネスの結合
安倍晋三への遺言/大間違いだった分割民営化/日本を動かしてきた二人の死

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

鉄之助

241
「最後のフィクサー」と呼ばれながらも、これまであまり知られていなかったJR東海の元社長・葛西敬之の実像を浮き彫りにした力作だった。日本という国の方針は、こうして作られる! ドラマ以上にドラマチック。葛西が間質性肺炎のため81歳で亡くなった、そのわずかひと月半後に、盟友・安倍晋三が凶弾に倒れたのも因縁を感じずにはいられない。「美しい国づくり」の発想や、NHKなどに対する政府のメディア支配の構図がリアルにわかって面白かった。2023/03/16

trazom

120
私利私欲の政商でもなく、憂国の国士でもないのが「国商」なんだろうか。国鉄の民営化を実現し、JR東海に君臨し、その後、人事を壟断することを通じてフィクサーとして安倍・菅政権を操ってきた葛西氏の姿が、政府やNHKの実名の登場人物と共に詳細に描かれる。本当は、日本会議の中央委員や靖国神社の崇敬者総代を務められた葛西敬之という人物の思想や信条をもっと知りたいと思ったのだが、本書はその期待には応えない。晩年の葛西氏はリニア中央新幹線の実現に情熱を傾けたが、財投を受容してまで事業化を急ぐ姿には、危うさを禁じ得ない。2023/02/24

遥かなる想い

93
安倍晋三政権の最大の後見人と目された JR東海 葛西敬之を描いた作品である。 安倍政権を支えてきたと言われる葛西-杉田ラインの経緯が丹念に描かれる。 断片的にしか知らない官邸官僚たちの実態が 垣間見られる、政権の裏話だった。2024/04/19

ぶ~よん

89
JR東海の社長や会長等を歴任した葛西敬之について書かれた本。労働組合対策に奔走し、国鉄分割民営化でJR東日本の松田昌士、JR西日本の井手正敬と共に国鉄改革3人組と称される。昨年長い闘病生活に終止符を打つまで、リニア中央新幹線の開通を夢見ていた。長野県のワガママで諏訪を通そうとしていたのかと思ってたけど、南アルプスのトンネル掘削は難工事という背景があり、今では静岡県も難色を示している。コロナ禍を経て人々の往来が減る中、ニーズはどれ程か?他には、安倍、菅さんのNHK国営放送化の目論見なども書かれている。2023/05/01

読特

77
立ちいかなくなっている北海道と四国の会社、福知山線の脱線事故、革マル系組合が歪ませた経営ー国鉄分割民営化は成功だったとはいえない。国労が悪者とは抱かされた幻想だった。実は政治が押し付けた無理な新幹線整備が赤字の元凶だった。…水枯れ、残土処理、需要減...。リニア計画は立ち止まり再考すべきだったが安倍政権は逆に推進した。それは葛西氏が影で操っていたからといわれる。2人はもうこの世にはいない。その死をきっかけに変わる、それは本来あるべき姿ではない。主権在民。生きていても民の力で変えていなければいけなかった。2023/10/15

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/20433522
  • ご注意事項

最近チェックした商品